山口智弘
FILT編集長。
手は大きくも
小さくもなく。
山口智弘
FILT編集長。
手は大きくも
小さくもなく。
2025.3.20
今号の表紙は、映画監督の三池崇史監督にご登場いただきました。
前回は、2021年11月発行のFILT114号に出ていただいたので、およそ4年ぶりになります。
今号のビジュアルはかなりインパクトのある仕上がりで、特に三池監督に添えられている“手”が何とも言えない不思議な雰囲気を醸し出していますが、いかがでしょうか。
アートディレクターの清水さんによるイメージに沿いながら、関係者の皆様の手をお借りして撮影をしました。
もちろん、私の手も混じっています。
三池監督に触れる機会など、たぶん一生ないと思うので、根性で手汗をかかないようにして頑張りました。
その昔、FILTがまだ冊子だった頃に、あるページで使用するからと、生肉を素手でぎゅっと握る写真を撮影することになり、当時の編集長からハンドモデルを任されたことがありました。
デパ地下で買った肉を前に、手を入念に洗って、さぁ撮影という段階になって、前編集長から「手にいまいち迫力がない」と一言。
なんと、土壇場でその場にいた別の男性がハンドモデルに起用されました。
その夜、涙で枕を濡らしたのは言うまでもありません。
というわけで今回、念願(?)のハンドモデルデビューを飾りました。
さて、そんなビジュアルとも連動した今号のキャッチコピーは「人に、ゆだねる。」です。
インタビューもぜひ読んでください。
三池監督は「映画監督は人にゆだねる仕事」とおっしゃっていましたが、当然、良い作品にするには“ゆだね先”というか、任せる人も重要になってくるわけで、三池監督の周りには優秀な方がたくさん集まってくるからこそ、安心してゆだねることができているのかもしれません。
あと、今回のインタビューには入らなかったのですが、三池監督の「観客が何を観ようかなと映画を探しているように、映画も観てくれる観客を探している」という言葉がぐっときました。
だからこそ、その出会いは「好き嫌いも含めて、関係性ができた」ということなんだなと。
インタビューでは三池監督の人生観も垣間見えるので、ぜひ!
それでは、次回のFILTも、よろしくお願いします。