終わりが見えてきたときに、思うこと。
2018.11.20
山口智弘
FILT編集長。
次号からFILTは
少しリニューアル。
2018.11.20
今年最後のFILTとなりました。いかがでしたでしょうか。
表紙の遠藤憲一さんはびっくりするほど気さくで、サービス精神も旺盛で、優しい方でした。撮影時も「こんなのやろうか?」と自らポーズを提案してくださったりして、もとから好きな俳優さんでしたが、今回の取材でさらにファンになってしまいました。
インタビューでは、よい最後を迎えるためには「真ん中から終わりが肝心」とおっしゃっていました。「終わりも肝心」だし、「途中も肝心」だぞ、と。なんでも途中でだれてしまい、最後がグズグズになってしまう自分には「なるほど」と、深く刺さる言葉でした。
特集は室井佑月さんと、渡辺大知さん。お二人ともお忙しい中、お時間をいただいてのご取材でした。
室井さんの「関係の終わりなんてない」という考えは、今の時代であればまさにそのとおりだなと思いました。その気になれば何十年会っていない人の居場所だってわかるし、会おうと思えば会うことだってできるはず。もしくは室井さんも指摘していた通り、たとえその人が亡くなっても、ふと思い出すことで関係は続いていくのかもしれません。自分の頭の中からその人がいなくならない限り。
渡辺さんは、黒猫チェルシーの活動休止ライブ後、すぐのご取材でした。バンド観から、人生観まで、渡辺さんの今思っていること、考えていることを知ることのできた有意義な取材になりました。インタビューでは、「明日死んでも後悔はない」と言い切った渡辺さん。なかなかそう断言できる人はいないかもしれませんが、でも、そう思えるまで自分なりに頑張ることはできるかもしれません。
物語の終わり、1日の終わり、時代の終わり、人生の終わり――物事にはさまざまな終わりがありますが、みなさんのお話を聞いてみて、やはりどの終わりも「終わりが肝心」なのは間違いないようで。だからこそ、いつ終わりが訪れてもいいように、きちんとしておきたいな、と思いました。
ちなみに、私は現在、歯の治療中で、こちらもそろそろ終わりが見えてきつつあります。先日、歯医者さんから「あと3回で終わりね」と伝えられました。優秀の美を飾るべく、とりあえず、3回はサボることなく通院したいと思います。
それでは、来年のFILTもよろしくお願いいたします!