生まれ変わったような爽快感。
2017.5.20
山口智弘
FILT編集長。
「極悪女王」で
デビル雅美の
ファンになりました。
2017.5.20
今号のFILT、いかがでしたでしょうか。
表紙に登場していただいた壇蜜さんの撮影は、雨が降るか降らないか、という微妙な天気の中、都内のビルの屋上で行われました。当日は春だというのに気温も低く、ご覧の通りの薄手のドレスを着ていただいての撮影でした。凍えるような寒さの中、しかし、嫌な顔一つせず、まるで何かを悟ったかのような壇蜜さんの表情は、写真を見ていただければわかると思いますが、なんともいえない迫力と魅力がありました。
NHKのプロデューサーである尾関憲一さんの撮影は、尾関さんの職場の近くでもある、代々木公園で。NHKから原宿に行くときには、よく公園内を通るそうで、まさに、尾関さん自身の寄り道スポットでの取材になりました。当日は、公園内の売店前のベンチで、いろいろなお話をしていただきました。とても贅沢な時間だったのですが、誌面のスペースの都合で、そのお話の全てを載せられないのが残念です。
そして、菊池亜希子さんの取材は、菊池さんの寄り道スポットでもある、喫茶店「ワンモア」にて。お店の方々には、本当に親切にしていただいて、とてもスムーズで楽しい取材になりました。菊池さんにもリラックスした雰囲気でインタビューや写真に応じていただき、素敵な出来になったのではないかと思います。
取材場所の「ワンモア」は総武線・平井駅近くにあり、取材の数日前には、下見もかねて、ご挨拶に伺いました。その際も、丁寧にご対応いただきました。本当にありがとうございました。
下見の帰り道。少し時間もあったので、平井駅ではなく、あえて、遠回りして、都営新宿線・東大島駅まで歩いてみました。直線距離で1キロほど。その日は、ちょうど桜が満開で、荒川近くの大島小松川公園の桜が見事で、それだけでも寄り道というか、遠回りしてよかった、と思ったのでした。
今回のテーマは、「寄り道が、人生を新しくする。」でした。
昔から、よく寄り道をしていて、歩くのが遅いというのもありますが、普通に歩けば15分の道を30分くらいかけて、回り道しながら、ぶらぶらするのが好きでした。とはいえ、いつも満開の桜のような、素敵なシチュエーションに巡り会えるわけでもなく、またそれを期待しているわけでもなく。
そんな感じで、いつもボーっと歩いているのですが、銭湯だけは目ざとく見つけて、よっぽど急いでいるときでない限り、入ることにしています。趣味というわけではないのですが、好きなんです、銭湯。
タオルはだいたい100円くらいで、入浴料は470円。スーパー銭湯だと、もう少しします。露天風呂やサウナなどがあるゴージャスな銭湯があると思えば、浴槽が1つだけの超シンプルな銭湯があったり、銭湯ごとに内観も浴槽もシステムも違うので、それが楽しかったりします。
面白いのは、多くの銭湯で、ほとんど毎日来ているであろう常連さんたちのコミュニティができていることです。その中に異分子である自分が加わったときの「なんだお前は」感もたまりません。特に午後3時くらいの開店直後くらいは、よりその傾向が強くて、たまにご年配の方から、「どこから来たの?」なんて探りを入れられることもあります。
そんな感じで、なんだか居心地が悪いこともありますが、銭湯の気持ちよさにはかないません。夏などは、汗を流してさっぱりすると、まさに今回のテーマではないですが、生まれ変わったような、なんともいえない爽快感を味わえます。昼間は罪悪感も少しだけくっついてきますが。
そんなわけで、これからの季節、銭湯への寄り道がおすすめです。
それでは、また次号もよろしくお願いします。