編集後記

山口智弘
FILT編集長。
レイアウトが
リニューアルしました。

編集後記

空気なんか、読まなくたっていいのかも。

2025.1.20

2025年、最初のFILTはいかがだったでしょうか。
今号の表紙は、俳優の哀川翔さんにご登場いただきました。
翔さんには2021年1月20日発行号の表紙も飾っていただいており、ちょうど4年ぶりの再登場になります。

今回の撮影は、昨年2024年の年の瀬に行われました。
寝そべった翔さんを俯瞰で撮っているので、少し不思議な感覚の写真になっていると思います。

また、仰向けだけではなく、立ち姿も撮ったのですが、ある瞬間、スタッフ一同から笑いが起きました。
それは、誰かが面白いことを言ったとかではなく、ビシッと決まった翔さんの佇まいに対して、「さすが」「かっこいい」という声と共に漏れた感嘆の笑いでした。
すごすぎて思わず笑ってしまうときってありますよね、ああいう感じです。
立っているだけで周囲を魅了するのは、スターだけが持っている特性なんだなと思いました。



そんな翔さんへのインタビューは、「空気」についてお聞きしています。
最後の「空気なんか読むな!」の一言にはビビッときました。
かつて「KY(空気が読めない)」という言葉が流行りましたが、人の目を気にしすぎるくらいならKYでいいじゃないか、というわけです。

それにしても、日本語には「空気」にまつわる慣用句がそこそこ多いことに驚かされます。
空気を読むにはじまり、空気を作る、空気を壊す、空気が重い、空気になる、空気が変わる、空気が張り詰める、空気が淀むなどなど。
場の人間関係の調和を重視する、とても日本らしい言葉だと思いました。

ちなみに、KYが新語・流行語大賞にエントリーされたのは2007年だそうです。
20年近くも前だったとは……空気が震えました。

それでは、次回のFILTも、よろしくお願いします。

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