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寺島進

寺島進

寺島進

恋愛ができない、結婚できない…

私、縁がなくて困っています、アニキ!!

Q3. 39歳、処女です。一度も男性と付き合った経験がなく、このままでは尼になるしかないと…。寺島さん、こんな女をどう思います? 私は人並みに幸せになれますか?

 別に、そんな悲観することなくて、人よりちょっと遅れてるだけって思えばいいんじゃない? 俺だって他の人よりデビューが遅いし、そういう意味では俺の芝居って10年20年、遅れてると思ってるの。でもそれも俺の人生で、ネガティブにとらえる必要もないと思ってる。そうでしょ?なんせ、なんでもポジティブに考えなきゃダメ! 引き寄せの法則ってあるんだって。ネガティブに考えたらネガティブなものを引き寄せちゃうし、プラス思考でいると自分もいい方向に引き寄せられていく。だから暗くなって「尼さんになるしかない…」なんて言ってちゃダメってことだよ。
 だいたい、まだ39でしょ?「もう39だし…」なんて思うからいけねぇの。そうじゃなくて、まだ39だから。そうやって後ろ向きに思うってことは過去の自分を否定してるってことでしょ? それ、罰当たるぜ? 親が生んでくれて今まで元気に生きてきたんだから、親や周りの人に感謝して、過去の自分を肯定しなきゃ。何より大事なのは今からだぜ。
 50歳で結婚したっていいし、子どもだって今は40代で高齢出産する人なんてたくさんいるんだから。とりあえず、もう少し男を見てトキメク気持ちを育てたり、現実的に合コンしたり、いろいろ前向きにやればいいじゃん。年上の女性が好きな男はごまんといる。真っ白でいることを喜んでくれる男もいるかもしれないよ? 素晴らしいことじゃない、真っ白ってことは。それこそ穢れのない純真さを表す、白無垢が似合う女性ってことだもん。俺、前に白無垢で船に乗って瀬戸内の島に嫁ぐ「瀬戸の花嫁」のドキュメンタリーを見て感動したもんだよ。
 『今時こんな昔気質な女はいねぇよな…』なんて思ったけど、この人はそれを地で行く、今時なかなかいないような女性かもしれないね。だから自分に自信を持って、前向きに歩んで行ってほしい。
 縁は誰にでもあるから大丈夫。神様は平等だから、生まれた瞬間にもらえる運はみんなちゃんと平等にあるんだって。どの運をどこでどうやって使ってるかの問題でさ…。 もしかしたらこの人は今までは仕事とか別の部分で運を使ってたのかもしれないね。でもきっと恋愛にも残ってるよ。だってまだ39だもん。俺なんか39に戻りてぇよ(笑)

寺島進

Q4. 同棲して4年になる彼が、まったく結婚しようとしません。私も30代、焦る気持ちがありますが自分からは言えない! どうすれば彼はプロポーズしてくれるのでしょう?

 「どうすればいいんでしょう」って俺に聞いてる場合じゃないよ。だって4年も付き合ってんだろ? だったら話し合えばいいじゃない。「結婚するは気ないの?うちらどうするの?」「子どもどうするの?」「大震災が起こった時、一緒にいるの? いないの?」とかさ、いろいろ現実的な話をして、プロポーズさせるように導けばいいんだよ。
 結婚を急かして重たい女性だと思われなくないって? 気にしすぎだって。それで重たいって感じた男はそれまで。それがその男の器量。結婚したらもっと重たいことなんてたくさんあるよ? そういう大変なことにもお互い協力しながら立ち向かっていくことで家族の結束力が生まれていくんだから。ダメだよ、傷つくことを恐れちゃ。
 俺とカミさんなんて、傷つき合いながらも、お互い言いたいことがっつんがっつん言ってるからね。ケンカってものすごいエネルギー使うから疲れるんだよ。本当は喧嘩なんてしたくない。でも、それをやらなきゃ明るい光が降りてこないからね。よく言うじゃない、しゃべらなくても分かるだろうとか、阿吽の呼吸でしょとか、そういうのはね、本当、映画とかドラマの中の話なの(笑)。高倉健さんじゃないんだから。だから、まずは話し合いだと思う。でも、正直言うと、結婚って話し合いとか説得で導けるようなもんでもないんだよな。それは俺も経験上わかってる。
 結局は彼氏がこの彼女と結婚する気があるかどうかだから。俺も昔、「私たちどうするの?」って詰め寄られたこともあった。でも、俺にその気がなかったから長いこと結婚してこなかったわけでしょ。それが今のカミさんと出会って一目惚れした瞬間に、『ああ、こういうご縁だったんだな…』と感じたの。理屈じゃないんだよ。一目惚れなんて初めてだったけど、カミさんしか見えなくなった。そのあとで食が合うとか、先祖を大事にするとか理屈の部分も追いついて、ますます気持ちに拍車がかかった。俺は昔から授かったら結婚しようって決めてたから、授かったって聞いたときに、じゃあ入籍しようと。できちゃった婚じゃないよ、授かったら婚(笑)。俺にとって自然な流れだったね。そういうのも含めて、ご縁でしかないと思う。

寺島進

 もちろん、よく言われるみたいに「胃袋をつかんで結婚を意識させよう」、みたいな表面的な話でもない。そりゃメシはうまいに越したことはないけどね。
 でも料理=栄養で、大事なのは栄養バランスじゃない? 相手の体のことを考えて栄養バランスがいい料理を考えて作ってあげるのが愛情で。単にうまいもんを食べたいなら、そのへんのラーメン屋でも入った方がいいって話だからさ。相手が肉を好きだからって肉だけ出してもダメで、好きなもんばっか与えてもしょうがねぇんだから。男は甘やかしたらダメだよ。尻を叩いて仕事させるくらいじゃないと。
まぁ、そういう本質的な愛情で支えてくれる女なら、男は結婚を意識しやすいかもしれないね。

寺島進

寺島進 てらじま・すすむ 東京都出身。俳優・松田優作が監督した「ア・ホーマンス」でデビュー後、北野武作品で活躍の場を広げる。映画のフィールドからテレビドラマの世界でも、その顔は知られるように。9月には出演作『アンフェアthe end』が公開される。