FILT

寿大聡

寿大聡のコラム侍

仲代達矢主宰の無名塾出身。2013年 三池崇史監督作品『地球兄弟』主演。同年、ローマ国際映画祭特別上映作品に選ばれ、三池崇史監督と共に同映画祭のレッドカーペットを歩く。その他主演作:長崎の鐘/紀伊国屋ホール、婢伝五稜郭/俳優座劇場、荒木町ラプソディー/シアターX、蜩ノ記/NHKラジオドラマ、五稜郭残党伝/俳優座劇場、夜を急ぐ者よ/俳優座劇場、他、映画ドラマ多数出演

『明けましておめでとうございます。』

2016.1.20

皆様!明けましておめでとう御座います!
今年もどうぞよろしくお願いします!
ここ数年、本当に時が経つのが早く感じます。まだ高校生や学生の時なんかは、大人から「もう、あっという間だから!あっという間に30、40になっちゃうから」とかいつも言われてて、その時は「何言ってんだ、おっさん」とか思ってましたが、本当にあっという間!
若い時は実感をもって聞けないんですよね。すいませんでした!
いやいや1年が過ぎるのが本当に早すぎます!去年は特に激ハヤでした!そして、良いのか悪いのか、ここ5年ぐらいは毎年激動激動。落ち着いた状態でいられた事が一切ありません。
さあっ、今年はどうなることやら。今年1発目のお仕事は5日から撮影が始まりましたドラマで御座います。よし!頑張ろう!ということで、この「コラム侍」、今年も、ノープランでパソコンの前に座し、何かが脳に降りてきたらその瞬間キーボードを叩くという、まさにとれたて!新鮮!そう!フレッシュ!フレッシュ過ぎる寿大の脳とともにお送りさせて頂ければと思います!よろしくお願いします!!
初春なので、原点回帰して考察してみようと思うのですが、「人間の本能と理性」と「世渡り」との関連をちょっと考えさせて下さいませ。
まあ、何故原点回帰でこのテーマかと言いますと、無名塾入塾試験の筆記試験時の論文問題で、「人間の本能と理性」について書きなさいという問題が出たのを今思い出したのと、僕の周りでも、計算してうまく世渡りしようとするも結局失敗する役者が多かったり、あるいは本能だけで皆に可愛がられる役者もいたりするので、人生の歩み方は、運という見えないものが特に重要ではありますが、運以外のその人の本能や理性も大きく関わっている事と思います。
僕自身はというと、自分の悩みでもあるのですが、器用に世渡りが出来ず、要は好きか嫌いかでしか人と付き合えないのです。甘いとお叱りを受ける事とは思いますが、結局そういう本能や感情でしか僕は生きられないのかもしれません。この人は自分の利益になるから良い顔しておこう、仕事に繋がりそうだからご機嫌うかがいしよう、が苦手で、好きだから連絡もするし飲みにもいくし、好きだから自分なりのですが礼儀はしっかりしようと思いますし、恩を忘れず筋はしっかり通そうと常に心がけております。
しかし、ついつい本音喋っちゃったり熱くなったりしすぎて・・・。はい、反省してます。社会人失格です、はい。
だからこそ反対に、理性を重んじ、冷静に上手く相手と関係性を築き上手に生きている方を見ると、すげーなぁと思ってしまいます。そんな方々はまず人と揉めたりしないし、問題起こさないし、いい人だって言われるし、飲み過ぎないし。あぁー昨日パンチ出しすぎたー、と凄まじい後悔の念に駆られる事も無いのだろうし。
ただ、特に最近の若手役者男女問わずにおいてなのですが、にわか打算主義が増えてますね。何というか、バシッとした志が無いというか、芸や仕事に対する意欲や本筋が無いというか、
なんか上辺感が凄いというか・・・。ここでは怒られるし可愛がってくれないから、じゃあ次ここ。ここも駄目だから次。次へ次へと、あくまで自分は悪くない、悪いのは自分をわかってくれないあなたたち。そして美味しそうなニンジンがぶら下がっていそうなところを見つけては転々と・・・。
簡単に縁や関係をあっさりと切って新しい環境を求める。そんな方々は、自分なりには美味しそうな処をみつけ上手く世渡りしているつもりなのでしょうが、全くもって打算的でも何でもありません。上辺だけの対応は長期的な継続は出来ず必ずボロが出ます。目の前のニンジンは確かに大事だけれど、そのニンジンを一本丸ごと食べられるようになるには、日々の努力と根気と素直さ正直さが必要だと僕は思います。
そうですね。今年の抱負としましては、ここ10年ほどほとんど本能優先で歩んできましたので、もっともっと大人に、もっと理性優先になれるように心がけていきます!!ただ、いやらしくはなりたくないのです、絶対に!
つまりは本能と理性のバランスが大事!という事ですよね、芝居と一緒です。
今年こそ現代社会に相応しい男を目指して!!
本年1発目、皆様、有難う御座いました!
皆様にとって、最高に最高に楽しい1年になりますように!!!

backnumber

CONTENTS