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寿大聡

寿大聡のコラム侍

仲代達矢主宰の無名塾出身。2013年 三池崇史監督作品『地球兄弟』主演。同年、ローマ国際映画祭特別上映作品に選ばれ、三池崇史監督と共に同映画祭のレッドカーペットを歩く。その他主演作:長崎の鐘/紀伊国屋ホール、婢伝五稜郭/俳優座劇場、荒木町ラプソディー/シアターX、蜩ノ記/NHKラジオドラマ、五稜郭残党伝/俳優座劇場、夜を急ぐ者よ/俳優座劇場、他、映画ドラマ多数出演

『みんな備えろー』

2015.11.20

皆様お疲れ様です!今回もよろしくお願いします!
寿大聡のコラム侍です!

今思いましたがこのコラム侍。毎回別に、コラムという刀で社会を鋭く斬る!!とか、悪い世相をたたっ斬れ!!みたいな事は一切書いてないですし、気付けば普段の日常のムカついた事を何の気なしにただ綴っているだけでありまして、全然侍でも何でもないんですね。とすると、寿大聡の「コラム侍」ではなく寿大聡の「愚痴侍」に、はたまた「ムカつき侍」に変えた方がいいのかなー。いやそうなるともう侍じゃないしな、そんなの!「寿大聡の愚痴」が一番適してるのかなー、けどそんなタイトルで誰が見んだよ!いつもの飲み屋の時と同じだろ!という事で、申し訳ありませんがこのままでいかせて下さい!

最近は立て続けに色々な仕事をやらせていただき必死にこなしておりますが、改めて思うのは事前の準備の大切さですよねー。何事も、目の前のその瞬間能力を発揮するには、しっかりとした準備が何よりも大事だと思います!役者さんって撮影や舞台公演が無い時って何してるの??と本当に良く聞かれるのですが、大体の役者さんは必死に準備をやってるのですねー。

まず、ドラマなり映画なり舞台なり台本をしっかり読み込み解釈し、演じる役を細かく考え、構成し、創っていきます。その人物の生い立ち、そして周囲の役との関係性等々、しっかり解釈した後、それらを何度も読んで肉体化していきます。そして、同時に台詞も吟味に吟味を重ね血肉になるまで稽古していきます。とにかく、この準備こそが仕事だといっていいほど重要なもので、時間がかかるものなのです。

話に聞くと海外の大作だと十分な何か月もの準備期間があってとても恵まれた環境下で芝居が出来るらしいですが、これが日本の連続ドラマになると、台本を三日前、辛い時は前日に渡されたり、当日や現場で台詞が変わることもしょっちゅうなので、神経はすりきれますねー
しかし、良くも悪くもこのスタイルが今の日本のかたちなので順応しないといけない訳です。
大変なのは、方言があったり、作法が必要な役だったり、殺陣やアクションが必要な役が来た時ですね。それこそ、役が来た時だけの準備ではなく、普段からの準備が必要になってくるのです。もう10数年、時代殺陣、現代アクションと僕自身毎週稽古していますが、この普段からの稽古をしていて助かった事ばかりです。役が来た時に稽古を始めるのでは100パー遅いのです。チャンスを逃しますよね。悲しい事に、最近は続かない若手がとても多く、大丈夫かお前ら!!??とも思ってますが、まっ、自分の心配だけしてろよという感じですよね。

先日コント番組に出演させて頂き、初めて芸人の皆様と共演したのですが、とても勉強になりました。芸人の方々は、演じるという概念や台詞をきちんと喋るという概念にとらわれず、実に自然体で、その場で当たり前に変わる状況や台詞に対応しこなしていくのです。芸人さんは素の状態で常に人目にさらされているという日常が、そのまま稽古になっているという印象をうけ、それがコントという世界で存分に発揮されているのだなと感心しきりでした。今までとは全く違う感覚に襲われ瞬間戸惑いましたが、一緒にやれて良かったと強く感じておりますー!!

さて、もうそろそろガチ寒な季節になりますねー。僕も、今日も穿いているハーフパンツにこの辺で別れを告げます。
皆様、冬支度に鍋支度、炬燵支度にスキー支度。万全に準備して下さいませ。何より火の用心!!!

それでは皆様また来月お会いしましょう!!
失礼しました!!

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