皆様、今月もよろしくお願いします！
「コラム侍」10月号です！
すっかり秋めいて寒さも少しずつ増してきましたね！秋って何だか寂しくなったり切なくなったりしませんか？別に何かあったわけじゃないのにね。子供の頃から胸のあたりに何か感じるんですよ。
ただ、今日はホッと一息つけた安堵感が強いです。ちょっとお休みを頂けましての第2日目なのでダラダラと家から一歩も出ず食っちゃ寝を繰り返すばかりです。まっ、この休みが1週間ほど続くと今度は逆に不安と焦りへ気持ちがシフトしてくるのですけどね！だからこの2、3日だけが本当の幸せなのです。一昨日まで、約2週間ほど別府に滞在し撮影をしていたのですが、しかも滞在先は別府で一番の杉乃井ホテルという最高の巨大リゾート施設だったのですが、やはり仕事で行くと全く気が休まらず、最高の露天風呂に入ったり、美味しい食事をしても気もそぞろで、役の事や台詞の事や芝居に関する事で脳が一杯ですし、緊張感にずっと苛まれてずっとずっと死にそうでした！温泉やリゾートへは休みの時に行かないと心から楽しめないですね。毎晩羽を伸ばして朝まで遊んでる役者達がいたんですが、そいつら見てると羨ましくて羨ましくて。朝ランニングしながらその役の台詞を入念に稽古し、その日に演じるシーンの役の気持ちを吟味する事が、無名塾の時から続けている毎朝の日課ですから、これやらないと不安でカメラの前に立てないですし。だから、飲みに行っても朝にこれやらなきゃいけないから朝までは飲めないんです。しかも、そいつらときたら朝平気で寝坊して遅刻してくるから撮影開始時刻に間に合わせるためにメイクさんや衣装さんを何度も焦らせたりするし。いや、朝まで飲んでも良いけど入り時間に間に合わないんじゃ単なる駄目役者じゃん！なのに、全く悪びれずドンとしてるし。いや、そんな図太い精神力が本当に欲しいです。

無名塾一年生の時の全国公演で福島に滞在した時事件が起こったのです。けたたましい着信音で目を覚まし電話に出ると「お前今どこ！？」と同期から。もう全てが一瞬でわかりました寝起きなのに。全身の血が引くとはまさにこの事かと。時計を見るともう新幹線が出発する時間。死に物狂いで用意しホテルを出るも当然間に合わず、次の新幹線へ。こういう時、ちょっとでもポジティブに考えようとするものなんですよね。その時の公演にはキャストスタッフ総勢70人以上の座組だったので、もしかするとお師匠にバレていないんじゃないか。自然とこそっと劇場入りし、自然にセットの仕込みを手伝い、メイク衣装を着て本番前に「本日もよろしくお願いします」と。その流れで乗り切れるんじゃないかと。
そして、新幹線を降り、一人タクシーで劇場まで。当然舞台の仕込みは始まっていますね。「お前、やっちゃったなー」とスタッフさん達に声を掛けられながら謝りながら楽屋口へ向かうと、はい、そんな甘い考えが通じる仲代達矢ではありませんでした。劇場内から凄まじい声量の凄まじい怒号が外へ轟きまくっています。明らかにお師匠は僕の遅刻にガチギレしてます。ドアを開け廊下に入るやいなや、今年の大河ドラマ「真田丸」直江兼続役で頑張っている村上新悟先輩が凄まじい勢いで走って来られ拳で腹をガツン、そのまま引きずられながらのそして背負い投げされながらのお師匠の楽屋へダイブ！！！目の前には、もう人とも獣ともつかぬ形相の、顔を真っ赤にし、あの目をギラッギラにさせた仲代達矢がいました。「ああ、もう、俺は本当に終わった」と心底思いました。その後、一時間ほどの間（体感は三時間くらい）怒鳴られながらも必死に謝り、今後は全体集合時間の二時間前に必ずいる事、を条件にお許しを頂きました！
とまあ、このような体験を若いうちにしておくと、もう二度とあんな思いはしたくない、という防衛本能や危機察知能力が鋭くなるのですね。遅刻への恐怖が半端ないのです。しかしながら、上記した「図太いドンとした感じ」も欲しいわけです。あくまで礼儀やマナーを守った上でですけれどね。芝居をしていない普段の時に初対面の人に舐められるのは、普段の時にこのドンとした感じや近寄りがたい感じが無いからなんでしょうからね。
はい。普段の態度も研究して素敵な役者になりたいと思います！

もう10月！早すぎますよねー。
今年ももう終わってしまいます！
季節の変わり目はどうぞ体調にお気を付けください。
僕は気の緩みで風邪っぽいです！
けど、もう昼から飲んじゃいます！！！
ではでは！！