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編集後記

山口智弘
FILT編集長。
1年前も京都は
人でいっぱい。

編集後記

時代劇の父と娘と撮影現場と。

2024.5.20

すっかり初夏の陽気の今日このごろです。
さて、今号は5月17日に公開された映画『碁盤斬り』から、清原果耶さんにご登場いただきました。

これまで、白石和彌監督の連載でも追っていた『碁盤斬り』ですが、すでに劇場でご覧になった方もいるのではないかと思います。
清原さんの演じたお絹がまぁ健気で殊勝で。父上の柳田格之進とのかけ合いも良いので、まだの方はぜひご覧になってください。

そんな清原さんですが、白石監督もおっしゃっていた通り、取材ではとても聡明な方という印象を抱きました。
こちらからの質問にも、誤解や齟齬が生じないよう、よく考えて、丁寧に答えていらっしゃいました。
それは演技にも通じる話で、ご本人もおっしゃっていた「受け取り方って人それぞれ」は前提として、「私はこう思うんです」という明確な意思表示でもあるのかなと思います。
個人的には2022年に放送されたドラマ『城塚翡翠シリーズ』を見ていたので、あの良い意味でヤバいキャラクターを目の前の清原さんが演じたんだという妙な感慨がありました。

そして、『碁盤斬り』は草彅剛さん演じる柳田格之進の話でもあるので、その生き様も必見です。
武士としての矜持や佇まい、信念を貫く強さ、娘への思いなどに痺れまくります。カッコよさに酔いしれます。髷の草彅さんも凛々しいなぁ、無精髭姿の草彅さんも渋いなぁと思うはずです。

およそ1年前の2023年4月、実は白石監督の連載用の取材のため、『碁盤斬り』を撮影している京都の撮影所におじゃましました。



ちょうど格之進と斎藤工さん演じる柴田兵庫が対峙する緊迫感のあるシーンの撮影前だったのですが、草彅さんといえば共演者の方が差し入れたお菓子に大喜びしており、とってもほっこりしたのを覚えています。
今回、白石監督から草彅さんの切り替えの早さの話を聞いて、その時のことを思い出しました。

というわけで、清原さんのインタビューはもちろん、白石監督を含めた連載も読んでいただけるとうれしいです。
それでは、次号(2024年7月20日の発行&更新)もよろしくお願いします!

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