FILT

編集後記

山口智弘
FILT編集長。
穴場の花見スポットを
探しています。

編集後記

町へ出よう、本屋へ行こう。

2019.7.20

FILTは、ついに今号で100号目を迎えました。
いままで本当にありがとうございます。そして、これからもよろしくお願いします。

2002年の12月20日に1号目がスタートし、2019年7月20日でようやく100号。
最初は小冊子のみでしたが、現在はこのWEB版とタブロイド版の2媒体でお送りしています。

そんな記念すべき号で、原田龍二さんの連載「愛と平和の1時間」がスタートしました。
毎号、さまざまなことを語っていただきますので、ぜひチェックしてみてください。

そして、表紙は、連載「俺の足跡」でもお馴染みの寺島進さん。
秋ごろに連載をまとめた書籍が発売されるということもあり、今号の表紙にご登場いただきました。

さらに特集は、主演映画『ダンスウィズミー』の公開が控える女優の三吉彩花さん。
今回のコピー「がんばれ、本!」にあわせて、寺島さんも三吉さんも、「本」にまつわるエピソードを話していただきました。

本といえば、昔は書店で買うものでしたが、今はネット通販で買うことも多くなりました。それどころか、電子書籍も充実してきて、紙の本はあまり買わなくなったという人も多いかもしれません。

その昔、私は書店でアルバイトをしていまして、せっせと紙の本を売っていました。
もちろん当時から右肩下がりの業界でしたが、それでも、もう少しだけ活気がありました。
某魔法小説の続編は発売日には飛ぶように売れたし、雑誌の数も今より明らかに多かったです。

私はほぼ遅番のシフトでした。暇なときはレジで延々とブックカバーを折っていました。現金と図書カードを併用して支払われるとプチパニックになりました。ときどきバックヤードで行う返本作業が好きでした。社割で本を買えました。女性ファッション誌でしょっちゅう手を切りました。たまに入る日曜の午前中の雰囲気が好きでした。優しいお客さんもいましたし、やばい客もいました。
些細な出来事ばかりですが、割と思い出深いです。

書店員としてはもちろん、客としてもよく足を運んでいたので、そういった場所が少なくなるのは寂しい気がします。

というわけで、「がんばれ、本!」と同時に、「がんばれ、本屋!」ということで。

それでは次回、FILT101号目も、よろしくお願いいたします!

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