チバテレで放送されている視聴者参加型のカラオケ番組『カラオケ大賞』のMCを2月から務めさせていただいています。今年の夏には放送2000回を迎えるそうで、ここまでの長寿番組に携われて、素直にうれしいですね。
新MCへの抜擢は、『5時に夢中!』や『バラいろダンディ』などの経験を買っていただいたのかもしれませんが、これまで千葉にはあまり縁がなかったので、なぜ僕に声をかけていただいたのか、本当のところはわかりません。ただ、今回のことはチバテレのシンボル的な存在でもあるジャガーさんあってのものだと思うんです。
ジャガーさんはいわゆる千葉のご当地スターで、チバテレだけじゃなく、キー局の番組にも出演されていたので、ご存知の方も多いと思います。ジャガーさんと仲良くさせていただいていたので、もしかしたらそういった繋がりもあり、オファーをしてくださったのかもしれません。
ジャガーさんと初めてお会いしたのは、僕がパーソナリティを務めていたラジオ番組でした。僕のたっての希望で、ゲストとして来ていただいたんです。それが2020年頃で、翌年には僕のYouTubeチャンネル「ニンゲンTV」にも出ていただきました。
ジャガーさんといえば、千葉の伝説であり、大先輩です。僕も50年以上生きているので、会いたい人ってそこまで残っていませんけど、ジャガーさんはどうしても会っておきたかった一人。ジャガーさんはジャガー星からやって来たジャガー星人ですけど、一目でいいからジャガー星人というものを生で見たいじゃないですか。そして、目の前にいるんだったら、一言、二言は言葉を交わしたい。そんな思いがありました。
ジャガーさんの魅力は、スペーシー(宇宙的)な感じがしないところではないでしょうか。僕がYouTubeでジャガーさんに会ったのは「宇宙船JAGUAR号」ですけど、場所は千葉の本八幡ですからね。その事実にテンションが上がります。
また、僕もジャガー星人にしていただいて、感無量でした。ジャガー星人になったのはみうらじゅんさんに続く史上2人目だそうです。
2021年10月にジャガーさんはジャガー星に帰還してしまいましたけど、今も年賀状は届きますし、「あ、ジャガー星にも郵便ポストがあるんだ」とか考えるのも楽しいですよね。
『カラオケ大賞』の収録で、ジャガーさんの拠点でもあるチバテレを訪れたときは本当に感激しました。僕はチバテレの社屋をジャガーさんの番組でしか見たことがなくて、「ああ、ここなんだ。ここでジャガーさんが撮影していたんだ」と勝手に感慨にふけっていました。
番組は参加者のカラオケに対する愛情を感じますし、聞いていて胸に迫るものがあります。歌って上手い下手じゃないんだなと。ジャガーさんの愛したチバテレで、僕もそうしたカラオケの魅力を末永く伝えていきたいです。
ここ最近はもう一人、大先輩とお会いする機会がありました。哀川翔さんです。昨年の12月中旬に、三島有紀子監督の映画の撮影で八丈島に行かせていただき、翔さんと久しぶりにご一緒させていただきました。『修羅の覇道』シリーズ以来なので、11年ぶりの共演です。
今回の撮影では、合間に翔さんとお話する時間もあって、改めてどういう方なのかを知りたくなり、いろいろとお聞きしてしまいました。
驚いたのは初めて共演させていただいた映画のことを細かく覚えていらっしゃったことです。望月六郎監督の『汚い奴』(1995年公開)という映画で、僕は元プロボクサー、翔さんがヒットマンの役でした。このときの翔さんもカッコよかったですし、どんどん魅力が増しているように思います。
語弊があるかもしれませんが、翔さんのカッコよさって、カッコいいだけじゃないんですよね。どこか可愛らしさや人間くささみたいなものがあって、“カッコいいだけじゃないカッコよさ”が出ていると思うんです。
原田龍二 はらだりゅうじ 俳優。1970年生まれ、東京都出身。俳優として活躍する一方で、バラエティなどにも出演。『バラいろダンディ(金曜日)』(TOKYO MX)や『カラオケ大賞』(チバテレ)ではMCを担当。
もちろん、これまでも翔さんの魅力は僕なりに感じていたんですけど、今回ご一緒して、お話させていただいて、改めてそうした部分に気がつきました。
単純にカッコいいだけの人は、ここまで長く第一線にいられないと思うんです。“カッコいい”を肉づけしているものはいったい何なのか。俳優として熟練されていく中で、ときにふざけたり、冗談を言ったり、そういう一面を持っているからこそ、“カッコいい”が際立つんだな、と。そのことを知れたことも今回の大きな収穫でした。