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 6月22日にバンテリンドーム ナゴヤで行われたプロ野球の中日ドラゴン対広島東洋カープ戦で始球式をさせていただきました。と言いつつも、今お話しているのは、実は始球式をする前のタイミングです。この試合は山本漢方製薬さんの協賛で、始球式は僕がCMをさせていただいている御縁で実現しました。球速が100キロ出なかったら罰ゲームを受けることになっているんですが、僕は小学生のときに少しだけ野球をやっていて、当時105キロを出したことがあるので、たぶん100キロは超えると思うんです。
 今、始球式に向けてトレーニングをしています。小学生以来の投球なので、慣れておかないといけない。草野球チームに入っているご近所さんとキャッチボールをしているんですが、ご近所さんが言うんですね。「原田さんなら100キロは全然出ますよ」って。僕は120キロくらい出るんじゃないかなと予想しています。果たしてどうなるんでしょうか(笑)。

 僕にとってはじめての始球式です。やっぱり楽しいですね、新しいことへのチャレンジは。
 ここ最近も初挑戦したことがありました。スカパー!の『登山で頂きメシ!』という番組で、人生ではじめて低山を登ってきたんです。この番組は毎回さまざまな人が日本各地の低山に登り、山頂で達成感と共に地元のおいしいご飯を食べるという内容なんですけど、僕は京都と福井の県境にある青葉山という700メートルほどの山に登りました。健脚だったら、ご高齢の方でも楽しみながら登れる山です。
 これまで高い山には登っています。アフリカのウガンダでは、4,000メートル級の山に登って野生のマウンテンゴリラを探しましたし、少数民族のムチー族と生活を共にしたのはラオスの山岳地帯でした。ただ、日本の低山には登ったことがなかった。息切れもしませんでしたし、筋肉痛にもならなかったですけど、そういった意味ではこれも挑戦だと思うんです。

 登山といえば、この前、仲野太賀くんが険しい山々が連なるアラスカを旅するドキュメンタリーを見まして、非常に感動しました。僕は彼の人となりを知らなかったんですけど、健気だし、素直で明るいんですね。厳しい旅でしたけど、太賀くんは明朗闊達でとても好感を持ちました。豊かな人間性も伝わってきて、思わず父親の中野英雄さんに連絡をしたら、「えっ、見てくれたんだ!」と。中野さんも息子さんの勇姿に大いに感動したそうです。

 僕のYouTubeチャンネル「ニンゲンTV」も挑戦し続けていかないといけません。これまでと同じように、心霊スポット巡りを続けつつも、新シリーズの「ご近所奇界(アウターゾーン)」のような新しいこともしていきたいと思っています。これには、新しく加入した女性メンバーをもっと出演させたいという意図もあります。もちろん、心霊スポット巡りがメインであることは前提で。

 結局、心霊と同じようにYouTubeも答えがない世界です。どんな動画がより多くの人に見られるのかなんて、誰にもわからない。だから、とにかくなんでもやってみる。これまでやっていなかったスタイルにもどんどん挑戦してみるべきだと思うんです。
 例えば、僕一人だけで心霊スポットを巡る心霊旅とかもいいですよね。一人でその場所に行くことで、見えてくるものがあるかもしれない。実現できるかどうかはまた別の話ですけど、やれたらいいなということはスタッフにも伝えています。

 岐阜編では生配信もやりましたけど、それこそ心霊スポットに僕が一人で行って生配信を行っても面白いですよね。生なりのハプニングなどが起きるかもしれない。きっと視聴者も予測不可能な出来事を期待していると思うんです。
 おかげさまで「ニンゲンTV」もここ2~3年で登録者数が増えてきていますけど、まだまだ道の途中です。この前、降魔師の阿部吉宏さんとも話しましたけど、まだ2~3年ですからね。もう100ヵ所以上の心霊スポットに行っていますけど、他に訪れてみたい場所はたくさんありますから。ますます霊の住む世界や霊の存在理由などに惹かれていく自分がいます。

原田龍二

原田龍二 はらだりゅうじ 俳優。1970年生まれ、東京都出身。俳優として活躍する一方で、バラエティなどにも出演。『バラいろダンディ(金曜日)』(TOKYO MX)や『カラオケ大賞』(チバテレ)ではMCを担当。YouTubeチャンネル「ニンゲンTV」主宰。

 人間の世界に興味がなくなったわけではありません(笑)。ただ、人間にはある種、限界があるということも霊の世界に興味を持つ理由の一つかもしれない。特殊な訓練を積んだ人であれば、10メートルの崖から飛び降りることはできるかもしれませんが、200メートルから生身で飛び降りることはできません。僕らは自分たちの限界を知っているんです。比べちゃだめかもしれないけど、霊の世界にはリミットがない。僕はそこを探求していきたいと思っています。でも、いつか急にそういったものに興味がなくなる瞬間がやってくるかもしれない。未来のことなんて誰にもわかりませんから。

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