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 公開日が8月20日に決まり、主要キャストも発表。期待感が高まる中で、白石監督は映画の“手触り”を明かした。
「1とはまた違った映画になっているので、きっと“好きじゃない”と言う人も出てくると思うんですけど、僕的にはすごい気に入っています。今回は、アクションも派手だし、登場人物も多いので楽しんでもらえる自信はありますが、1のような映画を想像していると、期待を裏切るかもしれません」
 タイトルも『孤狼の血 LEVEL2』に正式決定した。
「『孤狼の血 広島死闘篇』にしようかという案も一瞬浮かんだんですけど、さすがに偉大な作品に僕らがミソをつけるわけにはいきませんし、前作よりレベルアップしているという意味を込めて、最終的にはこうなりました」

 主演を務めるのは、前作でも刑事の日岡秀一を演じた松坂桃李。劇中では、激しいアクションシーンにもチャレンジしている。
「3階からガラス窓を割って飛び降りるシーンなどは、ワイヤーを付けていますけど、本人にやってもらったんです。大変だったとは思いますが、良いシーンになったのではないかと」
 プライベートでは昨年12月に結婚を発表したが、白石監督はそのことを発表まで知らなかったという。
「いやー、びっくりですよ。すぐにLINEで“何ぃーーー!?”って送りました。翌日、編集作業があったんですけど、画面の向こうの桃李くんが、もう結婚している日岡にしか見えなくて(笑)。その日は途中で編集を止めて、昼間から飲みに行きました。前も話しましたけど、外出自粛期間のときに桃李くんと音尾琢真くんと3人でオンライン飲みをしたんですね。そのとき、桃李くんに彼女がいるか、いないかみたいな話になって“そのスマホの後ろに誰かいるんじゃねーの!?”って指摘したら、“いないですよ”って言ってたんですけどね(笑)」

 呉の撮影では、こんな出来事もあった。
「撮休の日に、桃李くんに“何するの?”って聞いたら“部屋にいます”って言うから、誘って一緒に呉の銭湯へ行ったんです。周りはおじいちゃんばっかりで、桃李くんだって気づかれないわけですよ。一番広い湯船に2人でポチャンって入って、そこでも“今、彼女いるの?”って聞いたら、“いないんですよね”って。口は堅いですよね。ある意味で信頼できる男だなと思いました(笑)」

 そして、新キャストも解禁。キーパーソンとなるのは、日岡の前に立ちはだかる上林組組長・上林成浩役の鈴木亮平だ。
「劇中で亮平くんがガウンを着るシーンがあったんですけど、なんだかそれがプロレスラーみたいで、もう、アントニオ猪木にしか見えなくて。モハメド・アリの生涯を描いた『ALI アリ』という映画があるんですけど、あれ、アリ×猪木戦は描かれてないですよ。だから、そこに絞って映画を撮ったら面白いかもという話をしたら“白石さんがやれと言ったら、僕やるんですけど、身体作りがキツイんで早めにお願いします”って(笑)。“40半ばになったらできないっす”って言ってました。でも、亮平くんは身体作りのことをよく言われますけど、そこも含めての作り込みがすごいんですよ。役を自分の中にどう落とし込むかということを、ものすごくクレバーに考えている。そういう頭の良さや器用さもありつつ、良い意味での不器用さも持ち合わせている。器用なだけじゃつまらないですからね」

「呉での撮影でも、帰ろうと思えば東京に帰れるのに、亮平くんはずっと現場にいましたから。組長役なんですけど、上林組の組員たちを引き連れて『居酒屋 孤狼の血』に飲みに行ったり、また戻ってきては現場に顔を出したり。リーダーシップもありますし、鈴木亮平は役所広司さんみたいな役者になりますよ、きっと」

 それぞれが熱を持って、作品に臨んでくれたと白石監督は言う。
「西野七瀬さんも頑張ってくれましたし、村上虹郎くんも入念に準備してくれました。ただ、コロナ禍でほとんどのキャストが『孤狼』しかやっていないから、“それは深読みし過ぎだから!”っていうところまで台本を読み込んでくる(笑)。虹郎くんにも何度も呼び出されて質問攻めにされました。“それもうメールでいいレベルだよね!?”って言っても“いやー暇なんで”とか言って(笑)。いや、ありがたいですし、嬉しいんですけどね。おかげですごくエネルギッシュな映画になりました」

寺島進

白石和彌 しらいしかずや 映画監督。1974年生まれ、北海道出身。中村幻児監督主催の映像塾に参加。以降、若松孝二監督に師事し、フリーの演出部として活動。2010年に『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で長編映画監督デビュー。その他の主な監督作品に『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』『牝猫たち』『彼女がその名を知らない鳥たち』『サニー/32』『孤狼の血』『止められるか、俺たちを』『麻雀放浪記2020』『凪待ち』『ひとよ』などがある。

 現在8月20日の公開に向けて、鋭意作業中。今の進捗を聞いてみた。
「僕、アフレコがすごい多い監督なんですね。ちょっとの間もセリフで埋めたり、なんだったら、セリフをアフレコで撮り直しても違和感なくできることを知ってからは、“これもアフレコ、じゃあ、あれもアフレコ”って。それがこの間、ようやく終わって、今は音楽を作ってもらっていて、CGなども着々と進めています。より良いものにしようと作業中なので、楽しみにしていてください」

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