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カンニング竹山

カンニング竹山

カンニング竹山

撮影/橋本直貴
構成/大塩 大
スタイリング/濱中麻衣子(桐原事務所)
衣装協力/チェックハット オーバーライド明治通り店(03-5467-0047)

芸人として脂の乗り切った49歳。ふと、自身の趣味に思いを馳せる。

カンニング竹山が、さまざまな“好きなこと”を語るこの連載。

第10回は、YouTubeなどをはじめとした「動画」のこと。

カンニング竹山

 僕は今、「カンニング竹山 プロダクション」というチャンネル名でYouTubeをやっているんですけど、最初のきっかけになったのは、その昔、GYAO!(ギャオ)で『カンニングの恋愛中毒』という番組をやらせてもらったことだったんですね。当時は「へ~、インターネットで面白いことができるんだね」みたいなことを思ったのを覚えています。

 そこからだんだんとYouTubeにも興味を持ち出して、配信用の動画を作り出したんですけど、お金も時間もかかるので何本か作った後は、しばらくやってなかったんですね。でも、今から5年前くらいかな。仲の良いテレビ関係者と「たぶんこれからは個人が自発的にいろいろ作っていく時代にもなる」という話をしまして、その中の一つとして、YouTubeをリスタートさせることにしたんですよ。一から立ち上げたというよりは、今までいろいろやっていたのを全部合併したというイメージ。今やっているチャンネルは、そういう経緯で生まれたんです。

テレビとネットの

違いを感じなく

なってきている。

 実は、初期からABEMAの番組にも出させていただいていたんですけど、当時はまだテレビはテレビ、ネットのメディアはネットのメディアという線引きがあったと思うんですよ。でも年月が経つごとに、その境界がだんだん曖昧になりつつあるというか、分けて考えるものでもないという空気になってきているんですね。

 スポンサーさんだって、テレビとネットの両方で情報を拡散させたいし、僕らのやっているネットの番組だって、実際はテレビの制作陣が作っているんですよね。「ネット専門です」みたいな人はあんまりいない。出演している感じもネットだからって特別なことは何もなくて、ほぼテレビと同じですね。違うのはスタジオくらいかな。それだけ違いを感じなくなってきています。

 ただ、僕のYouTubeはちょっとラジオ寄りかもしれないですね。なるべく嘘をつかずに、本当の意見というか、等身大の自分であろうとはしています。テレビよりも結構キツく言ったりしますし、リアルな感情を出すようにはしています。あと、カメラをしっかりと見て、画面の前にいる視聴者に訴えかけるようにするのは意識しています。みんなスマホで見てますからね。小さな画面なのでそれくらいがいいと思うんです。見ている方も、昔、僕らが学生の時に、寝る前にラジカセでお笑い芸人のラジオ番組を聴いていたような感覚なんだと思うんですよ。

カンニング竹山

 YouTubeで再生回数や登録者数を増やすには、その人に合ったことをやればいいと思うんです。ただ、真剣にやればやるほど、それにかかりっきりになっちゃう。週2回アップするのも、きちんと作ったら難しいですよね。テレビだって1週間に2回放送する番組はないじゃないですか。仮に15分の映像を作ろうとしても、ロケハンもいるし、取材も必要だし、とにかく手間がかかる。だからこそ、それがこなせるようになってくると、見ている人も習慣化してくるので、再生回数や登録者数も増えるんです。一方で、本当に6年~7年も同じことをやれるかどうかを考えないといけない。持続できるかどうかが大事なんです。

好きなことを

やらないと

絶対に後悔する。

 ちょっと前にYouTubeで雨上がり決死隊の宮迫(博之)さんとコラボさせていただきました。宮迫さんとは個人的にたまに食事している仲なんです。コラボのきっかけは僕のやっている『放送禁止』というライブです。“オフホワイト騒動”のときに宮迫さんをずっと尾行する企画をライブでやったんですね。宮迫さんに事後承諾で企画を進めていたことを説明して、ライブでやっていいか聞いたら「おもろいね、ええよ!」って言ってくださって。その義理もあったので、お返しじゃないですけど、宮迫さんがYouTubeをはじめるときに「何かあったら手伝いますよ」とは言っていたんです。それがきっかけとなり、今回のコラボに繋がりました。

カンニング竹山

 YouTubeはカメラで動画を撮るのはもちろん、編集も楽しいので、少しでも興味があれば、趣味としてもおすすめです。だからといって、再生回数とかは気にしない方がいいですよ。ほぼヒットしないから。だから企業もプロを集めて試行錯誤するわけですからね。実際にYouTuberのほとんどはそれだけでは食えてないっていうことも聞きます。あと動画は常識の範囲内で自分の好きなことだけをやらないと絶対に後悔します。一過性のものは、自分のスタンスが変わったときに見ると辛いものがありますから、自分の好きなことだけを撮ってアップするのが、おすすめですね。

カンニング竹山

カンニング竹山 芸人。福岡県出身。テレビでは、『バイキングMORE』『ノンストップ!』(共にフジテレビ)、『探偵!ナイトスクープ』(ABC)、『カンニング竹山のイチバン研究所』(MXテレビ)など、ラジオは『たまむすび』(TBSラジオ)にレギュラー出演中。また、著書『福島のことなんて、誰もしらねぇじゃねえかよ!』が発売中。

撮影/橋本直貴
構成/大塩 大
スタイリング/濱中麻衣子(桐原事務所)
衣装協力/チェックハット オーバーライド明治通り店(03-5467-0047)