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カンニング竹山

カンニング竹山

カンニング竹山

撮影/橋本直貴
構成/大塩 大

脂の乗り切った48歳。ふと、自身の趣味に思いを馳せる。

カンニング竹山が、さまざまな“好きなこと”を語る新連載。

第2回の今回は、専門誌で連載を持つほど好きだという「飛行機」について。

カンニング竹山

 はじめは飛行機が大嫌いでした。なぜ飛ぶのかもわからなかったし、怖かったというのもあり、20代のときは6時間くらいかけて、新幹線で福岡まで帰ったりもしていました。

 30代になってだんだん仕事が増えてきたんですが、当時はやたら北海道の仕事が多くて。土曜の朝イチで北海道に行ってステージをこなし、昼間に東京に戻って収録。夕方に北海道に戻って、またステージに立ち、札幌からの最終で東京に戻り、フジテレビで朝まで生放送というスケジュールもあった。北海道へ行くのには飛行機しかないから、それですごく事務所と揉めました(笑)。

 でも、ある日、中野の本屋で航空力学の本を読んだら、それがとても面白くて。次に飛行機に乗ったときに「本で読んだあれだな」とか「機体ってたくさん種類があるんだ」と考えて乗るようになったらすっかり大丈夫になりました。空港には飛行機の模型も売っていて、そのうち「今乗った飛行機はこれか」と買い揃えるようにもなった。それまでは、飛行機どころか模型の趣味も全然なかったんだけど、完全にハマりましたね。

機体を見ると

ものすごく

興奮するんですよ。

 僕は飛行機の機体マニアだけど、これは車好きと一緒の感覚だと思います。成田空港に行くと、なかなか日本に飛んでこないロシアの飛行機とかをずっと見ていたりする(笑)。海外に行ったときも、まず空港で飛行機を見ておきたい。ハワイ島でアラスカン航空の飛行機を見たときも、舞い上がっちゃって、カミさんに「いい加減にしなさい!」って怒られました(笑)。

 これは半分冗談だけど、機体を見るとものすごく興奮するんですよ。この興奮を表現するときに、僕は「男性が女体を見る興奮と一緒」と言っているんだけど、やっぱり共通するものはあると思う。飛行機の機体を見ると、テンションも上がるし、やっぱり「うおー、綺麗だな」って思うから。

 僕の一番好きな飛行機はボーイングの727。日本にはもう飛んでいない古い機体で、後ろの方に三発エンジンがついている飛行機。今の航空力学では燃費もかかるし、バランスも悪いんだけど、何とも言えない魅力があって、僕の心を捕らえて離さないんです。でも、最新のボーイング787なんかも、それはそれで、やっぱりかっこいい。一般の人はボーイングのなんとかって言われても全然わからないと思うけど、よーく見てくださいね、全然違いますから。

 飛行機模型は400分の1というスケールを買っています。1機3,000円~5,000円くらいだから、数が集められる。あまり高くないのもあり、これまでに100機くらいは買っていると思います。

 模型にハマったのは、「大人の趣味」に手を出せる喜びもあったかもしれません。たとえば鉄道の場合は、大人になると皆さんNゲージを買うと思うんですよね。Nゲージって「大人の証」みたいなものがあるじゃないですか。飛行機模型も「大人の趣味」をしているという感覚があったのかもしれません。

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 あと、飛行機好きとしてはもっとLCCを活用してほしいですね。日本ではLCCにマイナスイメージを持つ人がいるかもしれないけど、僕は実際にLCCの取材をしたこともありますが、全然危なくないんです。整備や機体にかかるコストをカットしているわけじゃなく、CAさんが一緒に掃除をするとか、そういうところで費用を削っている。

 取材でLCCのパイロットさんに、「LCCって『安い=危険』というイメージもあると思いますが、どうなんですか?」って聞いたんです。すると「竹山さん、僕も死にたくないんですよ。もちろんお客さんを安全に運ぶという使命もありますけど、僕だって家族がいますから。危険な飛行機だったら僕も運転したくないんです」と言われて、目から鱗が落ちましたね。

「俺が乗っているから

安心しろ」と不安な人に

アピールしている。

 芸能人にもけっこう飛行機好きいますよ。まず、ココリコの遠藤(章造)さん。伊丹空港の近くで育ったから飛行機が大好きなんです。だから遠藤さんとは「あの飛行機はロールスロイスのエンジンを積んどるもんな」なんて、よく飛行機の話をしています。

 あと、クリス松村さん。クリスさんは、小さい頃にお金持ちだったから、JALに相当乗っている。それに、CAになりたかった人でもあるから、制服の事とか、細かいサービスとか、JALの歴史にも詳しい。

 そういう人たち集めて番組にできないかと思ったんだけど、飛行機は数字持ってないんだって。個人的には少し残念ですね。

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 最後に、「飛行機が落ちるんじゃないか」という恐怖心を持っている人のためにいつも紹介しているのが『Flightradar24』というアプリ。

 このアプリはリアルタイムで飛んでいる全ての飛行機が地図上に出てくるんです。これを見ると、全世界で驚くほど飛行機が飛んでいることがわかる。でも今日も昨日も一昨日も飛行機事故は起きていない。それだけ安全ってこと。

 あと、僕はいつも早めに座席に座るようにしています。目立ちたいわけじゃなくて、昔、自分が飛行機を嫌いな時期に、機内で芸能人を見かけたら、何の根拠もないけど安心感があったんですよ。「芸能人がいるなら、落ちないだろう」って。だから早めに乗って「俺が乗っているから安心しろ。落ちないぞ」と、飛行機嫌いの人にアピールしているんです(笑)。

カンニング竹山

カンニング竹山 芸人。福岡県出身。テレビでは、『ノンストップ!』(フジテレビ)、『探偵!ナイトスクープ』(ABC)など、4月からは『カンニング竹山の新しい人生、始めます!』(BSテレ東)、『ノゾキミ企業参観!』(BS朝日)、『AbemaPrime』(AbemaTV)にレギュラー出演中。また、著書『福島のことなんて、誰もしらねぇじゃねぇかよ!』が発売中。

撮影/橋本直貴
構成/大塩 大