FILT

カンニング竹山

カンニング竹山

カンニング竹山

撮影/橋本直貴
スタイリング/桐原事務所
衣装協力/ネクタイ AINEXX

カンニング竹山がSNSに投稿した写真を起点に、

さまざまなことを語る。

第2回は、新しい試みについて。

カンニング竹山

 今年の4月1日に、ジャズバンドのCalmera(カルメラ)とコラボさせていただき、タケヤマカルメラというユニットで、「ヘイ・ユウ・ブルース ~許せ、友よ~」をYouTubeチャンネルの「blackboard」で公開しました。もともと僕はCalmeraの曲が好きで、ライブの「放送禁止」の音楽によく使っていたんですね。そこからSNSをきっかけにリーダーの西崎ゴウシさんと知り合って、ライブを見に来てくれたりして、前から「一緒に何か面白いものを作りましょうよ」という話はしていたんです。そんなときに、Calmeraが5月にニューアルバムを出すことになり、そのタイミングに向けて、具体的に動き出しはじめたという流れです。

 前から僕は左とん平さんの「ヘイ・ユウ・ブルース」が好きで、昔、一度カバーしているんですよ。それを西崎さんが知ってくださっていたみたいで、「この『ヘイ・ユウ・ブルース』をアルバムに入れたいので、デモを作っていいですか」と言ってもらって、そこから僕が今考えていることなんかを別の方に歌詞にまとめてもらったんです。

歌というか、

もう叫び、

シャウトです。

 実際に企画がスタートしたのは2020年の夏くらいで、年が明けてから一気に加速した感じですね。レコーディングスタジオで録音しながら微調整していったんですけど、どんどんかっこよくなっていく(笑)。西崎さんも「竹山さん、これ思った以上に出来がいいですね」って。これだけかっこいい作品になったんだったら、もうウソかホントかわからないままエイプリルフールに出したら面白いんじゃないかということで、4月1日の発表になったんです。

 聴いていただいた方にはわかると思うんですけど、歌というか、もう叫び、シャウトですよね。昔からキレ芸と音楽の融合みたいなことができないかなとは考えていて、それが実現できたのはすごくうれしいです。音は本格的だし、歌詞も攻めたものになっているので、多くの人に聞いてほしいですね。ただ、1小節の中にフレーズが詰め込まれているから、思った以上に難しいんですよ。合わせなきゃいけないし、噛んだらそこで終わり。歌うときのプレッシャーは大きいです(笑)。

 4月1日は、もう一つトピックスがありまして、これまでの「竹山報道局」を「TAKEFLIX」にリニューアルしました。「TAKEFLIX」は、いわゆる動画配信サービスで、定額でいろいろな番組を視聴できますし、「竹山報道局」もその中のコンテンツの一つになりました。ロゴは、まぁ見ていただければわかるんですけど、パロディです。何か言われたら、「いやいや、うちはあくまでTAKEFLIXですから」って言い訳するしかない(笑)。

 今、YouTubeという大きなプラットフォームがあって芸能人も次々と参戦してますよね。僕もやってますけど、けっこう根詰まりしてしまっている気がするんですよね。楽しいからではなく、みんなお金のためにやっているような……。

カンニング竹山

 もちろんお金はほしいですし、大切ですけど、それだけじゃなく、“新しくて面白いことをやりたい”というのはいつも根底にあったんです。だったら、手間はかかるかもしれないけど、手作りの動画配信サービスみたいなものはできないのかなと思ったのが「TAKEFLIX」を立ち上げたきっかけです。現在は僕の出演番組が中心ですけど、今後は、もっといろんな人の動画が増えていけばいいと思うんです。例えば、芸能人とかテレビ関係者の中には、YouTubeで本格的にやるほどではない動画を作りたい人もいるわけじゃないですか。「TAKEFLIX」なら、そういう動画も流せるし、観てもらうこともできる。実験じゃないですけど、うちで試して、会員にレビューしてもらってからYouTubeみたいなメジャーなところで発表してもいいし、そういう“遊びの場”にしたいというのは考えていますね。

観る人の世界を

広げてくれるような

コンテンツを揃えていきたい。

 YouTuberの最初の頃なんて、そういう感覚だったと思うんですよ。「遊びで動画を撮ってそれで収入を得られたらいいよね」って。でも、どんどん技術も内容もレベルが高く、本格的になっていった。

「TAKEFLIX」も将来はどうなっていくかわかりませんけど、基本的には“遊び”ですから。みんなで好きなことができればいい。髭男爵ひぐち君のワインの番組とか、学芸員の資格を持つ国領浩子ちゃんの美術の番組とか、本人が心から好きなことをやれて、さらに観る人の世界を広げてくれるようなコンテンツをどんどん揃えていきたいと思っています。

カンニング竹山

 結局、僕のキャンプだったりゴルフだったりも、「みんなで楽しいことをやりたい」というところから始まっているんです。だから「TAKEFLIX」にもどんどん大勢の人に参加してほしいし、面白いアイデアがあればぜひ聞かせてほしい。月額1000円ですけど、ライブハウスでやるライブだと思ってもらえればそんなに高くないと思うんです。今後もコンテンツを増やしていきますし、僕自身も楽しむと同時に楽しませてもいこうと思っているので、期待していてください。

カンニング竹山

カンニング竹山 芸人。福岡県出身。テレビでは、『バイキングMORE』『ノンストップ!』(共にフジテレビ)、『探偵!ナイトスクープ』(ABC)、『カンニング竹山のイチバン研究所』(MXテレビ)など、ラジオは『たまむすび』(TBSラジオ)にレギュラー出演中。従来の「竹山報道局」など、さまざまなコンテンツを楽しめる動画配信サービス「TAKEFLIX」を展開中。

撮影/橋本直貴
スタイリング/桐原事務所
衣装協力/ネクタイ AINEXX