カンニング竹山がSNSに投稿した写真を起点に、
日々の出来事を語る。
第3回は、「竹山報道局」や環境フォーラムについて。
撮影/橋本直貴
スタイリング/桐原事務所
衣装協力/ネクタイ AINEXX
カンニング竹山がSNSに投稿した写真を起点に、
日々の出来事を語る。
第3回は、「竹山報道局」や環境フォーラムについて。
この前の「竹山報道局」は、ゲストに爆笑問題の太田光さんをお迎えしました。基本的には事前に番組の内容説明も兼ねて、毎回ある程度の流れを書いた台本をゲストに渡すんですよ。当然、聞かれたくないことだってあるだろうから。でも、いざ始まると、もう台本は関係なくなりますね(笑)。特に太田さんは、一番話してほしかった芸や漫才のこととか、人生についてだとか、ガッツリしゃべってくれました。それまでも会員は増えていたんですけど、ありがたいことに太田さんの回からグッと会員数が伸びました。会員制で閉ざされた空間なので、ゲストの皆さん、普段のバラエティではしゃべらないことをしゃべってくれるんです。地上波ではなかなか観られないものを出しているので、回を重ねるごとに視聴者の食いつきが良くなってきているのは感じますね。トーク番組としてすごくいい形になってきています。
閉ざされた空間だから
こその価値もあるので
バランスが難しい。
とんねるずの石橋貴明さんがゲストのときも、「いくら儲かってた」とか「どのくらい忙しかった」とか、そういう話は他の番組でもしているし、もういいだろう、と。やっぱり「売れるまでの話」を聞きたいので、事前にスタッフとも打ち合わせをして、貴さんに「こういう話をぶつけていいですか?」と許可を取りました。結果的には大成功だったんですけど、唯一残念だったのは、時間が足りなくて「石橋貴明が古今東西の野球選手の中から選ぶスタメン」を聞けなかったことです(笑)。ピッチャーは江川なのか、それとも大谷なのか、とか。また次に出ていただくときは、絶対に聞きたいと思います。「竹山報道局」では、これまでのような芸人のゲストのほかにも、俳優や歌手、文化人など、いろんなジャンルの方を呼びたいです。あと、本当はもっと大勢の人に観てほしいんだけど、閉ざされた空間だからこその価値もあるわけで、そこのバランスはちょっと考えないといけないですね。
5月23日には環境省主催の対話フォーラム「福島、その先の環境へ。」に出席しました。もちろん声をかけていただいたから参加したんですけど、前提として、僕の中に「福島の情報が全然外に出てないな!」という思いがずっとあったんですね。震災直後から福島の人の一番知ってほしいことが全国に発信されていない。実は、前から小泉進次郎環境大臣と福島のことについて話したり、メールでやり取りをしたりしていたんです。世間ではいろいろ言われていますけど、小泉大臣は真面目に復興のことを考えていますし、ちょくちょく福島にも通っている。熱くて責任感のある人ですよ。そういう思いや縁があって、参加することになりました。
フォーラムのテーマは「除去土壌のこれから」でした。ちょっと説明しますと、除染した除去土壌をフレコンバッグという黒いゴミ袋みたいな袋に入れるんですけど、これを大熊町と双葉町に中間貯蔵施設を作ってすべて集めたんですね。あくまで“中間”なので、環境省としては30年後までに最終処分施設を県外に作りたい。なぜならば、原発問題は福島だけの問題じゃなくて、日本全体の問題だから、と。それで今、この除染土壌を再生利用して、全体の量を減らす試みをしようとしているわけです。フレコンバッグから土を出して、処理した上で盛り土をして、放射性物質の基準値が下がればそこで作物を育てることもできるんです。でも、そういうことって多くの人は知らないじゃないですか。本当はデータとかも示さないといけないから、説明を聞いているほうも「面倒くさい!」となってしまう。
まずは知ってもらい、
そこから考えましょう
ということなんです。
でも、とても大切なことなので、環境省が全国を回りながらフォーラムを開いて現状を知ってもらうという取り組みを始めたんですね。その第一弾がこの間の催しだったわけです。もちろんいろいろな意見があるんですけど、賛成・反対はとりあえず二の次。この問題って賛成派も反対派も感情的になってしまって議論にならないから、一回整理してまずは知ってもらい、そこから考えましょうということなんです。
きっと長い道になると思いますけど、でも、やらないと一生伝わらないですから。環境省がこういう催しをやりだしたのは、偉そうですけど、とても良いことだと思います。僕は専門家でも活動家でもないですけど、やっぱり福島が好きだから、役に立てるんだったら何でもやりたいですし、今回もそういう気持ちで参加しました。そうしたらSNSに「竹山が政権擁護」とか書かれてしまって(苦笑)。いや、そういうことじゃないんだぞ、と。なかなか難しいですけど、こればっかりはやっていくしかないですね。
カンニング竹山 芸人。福岡県出身。テレビでは、『バイキングMORE』『ノンストップ!』(共にフジテレビ)、『探偵!ナイトスクープ』(ABC)、『カンニング竹山のイチバン研究所』(MXテレビ)など、ラジオは『たまむすび』(TBSラジオ)にレギュラー出演中。従来の「竹山報道局」など、さまざまなコンテンツを楽しめる動画配信サービス「TAKEFLIX」を展開中。
撮影/橋本直貴
スタイリング/桐原事務所
衣装協力/ネクタイ AINEXX