今回の「トーク侍」は昨年10月公演の舞台『トワイライトムーン』で寿大さんと共演、さとう珠緒さんの登場です。
寿大　2018年の春くらいだったかな、映画『ウスケボーイズ』でもお世話になった柿崎ゆうじ監督から、「珠緒さんと舞台で共演しませんか？」と言われて。
さとう　そうなんですね。私もそのくらいの時期に監督からお話をいただきました。八ヶ岳のペンションが舞台で、私がペンションを経営している女性の役で……。
寿大　僕がそのペンションに乱入するテロリストのリーダーの役でしたよね。『トワイライトムーン』はもうストーリーが圧倒的で、人の命や環境問題を絡めながら、“正義”とは何かを問う、すごく考えさせられる舞台でした。
さとう　哲学的なメッセージがいっぱい含まれていて、舞台が終わってからもしばらくは何かの度に思い出しちゃいました。

寿大　ちょうど『ウスケボーイズ』で柿崎監督がアムステルダム国際映画祭やマドリード国際映画祭に行っていて、舞台の台本を書く時間がないから、滞在先のホテルや飛行機の中で書いたって聞いて、びっくりしちゃって（笑）。
さとう　専門的な用語もいっぱい出てくるし、セリフもけっこうありましたよね。
寿大　最初に監督から「長台詞あるからよろしく！」ってLINEをもらったんですけど、その時はそんなにあると思ってなかったんで「長台詞大好きです！」と返しちゃったんです（笑）。
さとう　だから長台詞になってしまったんですかね（笑）。けっこう難しい台本だったんですけど、私、寿大さんにお会いする前に、周りの人から「寿大さんは楽勝だから」って聞いていて、「すごい人なんだ！」と思っていたんですね。で、いざ稽古になったら本当にすごい人だった。稽古のとき台本持ってなかったですよね？　あんなに長台詞あるのに全部覚えているんだって。
寿大　いやいや、プレッシャーもあったので勉強してこなきゃって（笑）。台本いただいてから稽古まで1週間ありましたし。
さとう　あの難しい膨大なセリフを1週間で覚えたってすごくないですか？　尊敬です！
寿大　ありがとうございます（笑）。珠緒さんも、すっごくかわいくて、もうフランスの貴婦人みたいで。
さとう　ちょっと小馬鹿にしてますよね？（笑）
寿大　してない、してない！（笑）本当に気品があって、素敵だなと。でも、かわいいのもそうなんですけど、珠緒さんはやっぱり強いんですよ、女優として。
テロリストに屈しちゃうようなシーンでも監督が「もっと対抗して」と演出を付けたら、一気に感情を溢れさせ、覆してしまうくらいのパワーを出してくる。
さとう　私の役がペンションのオーナーで、お客さんを守らなきゃいけないというのがあるので。どこかに強さを持っていないといけなかったんでしょうね。
寿大　本当に今回の共演はうれしかったです。僕、ずっとテレビで見ていて、珠緒さん大好き世代なんで。
さとう　いいですよ、そんな気を使わなくても（笑）。

寿大　いや、本当に。今回ご一緒させていただいて、テレビのバラエティとかで拝見する明るくて楽しい方というイメージとは、また違ったイメージを抱きました。
さとう　えー本当ですか？
寿大　とても芯の通った方でもあるんだなと。珠緒さん、芸能生活30周年ですよね。だって、この地獄の芸能界で30年やっているって、相当すごいことですよ。
さとう　あはは。ありがとうございます。私も今回、寿大さんと共演させていただいてとってもうれしかったです。舞台も喜んでくださるお客様が多かったですよね。
寿大　「おもしろい！」って言ってくれる方がたくさんいて、やってよかったなって思います。僕が常軌を逸している役なので、気持ち悪がられて嫌われるんじゃないかなと思ってたら、割と受け入れてくれたんで、それもうれしかったですね。
さとう　私の友達も舞台を観に来てくれたんですけど、寿大ファンが続出。「あの人すごい、あの人すごい！」って（笑）。図々しくも写真も一緒に撮ってもらっちゃったりして。昔、先輩に、「違う言語の国の人に見せても気持ちが伝わるのが芝居だよ」と言われたんですけど、寿大さんはまさにそういうお芝居をされていて、本当にいい勉強をさせていただきました。
寿大　いやいや……そう言っていただけるとありがたいです。 舞台は3年ぶりで不安だったんですけど、挑戦してよかったです。
さとう　またご一緒したいですね。
寿大　そうですね！　珠緒さん、柿崎監督とは、けっこう長く一緒に舞台などやられているんですよね？
さとう　はい、とてもお世話になってます。
寿大　じゃあ、ぜひ柿崎監督の別の作品でも共演できればいいですね。
さとう　もちろんプライベートでたまにお酒をご一緒させていただくだけでも私はうれしいですけど（笑）。
寿大　あははは（笑）。そっちもぜひ。今日はありがとうございました！