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 震災前には福島にそこまで興味がなかったんですよ。興味をもったのは震災直後にTBSラジオの生放送がありまして、ラジオ福島から現地の様子を伝えてもらったことがきっかけでしたね。その後、原発問題が起きて、差別や風評被害も始まって。それが自分の中ですごく解せなくなってきて、「この電気使ってたの俺たちだろ?」という思いが湧き上がってきたんです。
 今、自分にできることって何だろう?と考えた時に、ロケだと思ったんですね。『探偵!ナイトスクープ』のおかげでロケには慣れているから、旅番組じゃないですけど、カメラを持たずに自分で勝手に福島に行ってみようと。そこで、人と会ってみたり、しゃべってみたり、写真を撮ってみたり、やりたいことをやってみようと思ったんですね。つまり「観光」ですよ。それをツイッターとも連動させたら面白いなと思って、「ここ行きます」とつぶやいたら、「うちの保育園に来てくださいよ」とかレスが来て、本当に行ってみたりとか。そういうところから始まりましたね。

 当時、福島には2~3ヵ月に1回くらいの割合で、休みになったら行ってましたよ、日帰りで。それでもまだ、周ってないところはいっぱいありますけどね。行先はパッと決めます。「今日は福島市に行こう」とか「郡山に行こう」とか。「相馬には行ったことないな」とか「伊達も行ってみたいな」とか、そういう感じ。気分ですね。
 旅先では人と触れ合うのも楽しいし、ただ歩いてみるのも面白い。途中で結局いつも腹が減るから、同行者がいるときは、いつも「ラーメン食べようぜ」みたいな感じになります(笑)。東北ってラーメンも美味いんですよ。ネットで調べて「このラーメン屋に並ぼうか」とか決めてますね。並んでるとびっくりされますけど「あぁ、いいんです、いいんです」って言いながら、迷惑にならないように普通に並んで食べてます。あと道の駅もよく寄りますよね、地元の漬物や野菜を買ってみたり、商店街の魚屋さんと話してみたり。本当に、ただの観光で、オフを楽しんでいるだけです。それで仲良くなった地元の方と飲みに行って語り合ったりね。そういうことをしていました。















 福島を語るには原発から逃れることはできないと、これまで原発は2度訪問しました。1回目はJヴィレッジから入ったんですが、「線量が高くてやばいのかな~」と思っていたんですけど、実は全然そんなことなかったんです。これはびっくりしましたね。昔、原発の周りは、桜の木が1000本ほど生えている芝生で、近所の遠足コースでもあったわけですが、今はその芝生を全部コンクリートで固めているんですよ。それによって線量が低くなっているから、作業員の人は防護服を着なくても作業ができるんです。

 福島は温泉がいいですね。会津に行くといっぱいあるし、飯坂温泉とか高湯温泉とか、郡山や福島市から近いところにもたくさんあります。何よりもいわきにはスパリゾートハワイアンズがありますからね。福島の温泉は夏もいいですけど、雪が降るような季節なんかは白い雪の中で露天風呂に入れるから、気持ちいいですよね。いろいろ日帰りもやっていますから。
 ごはん屋さんもけっこう良い店が多くて。この間行ったのは、「Hagi」というフランス料理店。シェフは地元の方で家を改良して店にしていて、福島の食材をメインにする人気店なんです。店自体もかわいくて、温かい雰囲気でおすすめです。

 福島でよく買っているのは、さっきも言いましたけど、道の駅の野菜ですね。とにかく安く買える。福島の農作物というと、よく放射能の事が言われますが、野菜も米も全品検査をしています。魚も全品検査が始まったから、考えようによっては日本で一番安全。
 あとは米と酒。会津には「央」という日本酒があるんですが、これが本当に美味い。小さな酒造が作っているから、あんまり数がないらしくて、現地でしか買えない。昔はネット通販もやってたらしいんですけど今は辞めたと言ってましたね。それでも福島の大きな酒屋さんとかには置いてあるので、現地に行った際にはぜひ!

カンニング竹山

カンニング竹山 芸人。福岡県出身。テレビでは、『直撃LIVE グッディ!』『ノンストップ!』(共にフジテレビ)、『探偵!ナイトスクープ』(ABC)、『カンニング竹山の新しい人生、始めます!』(BSテレ東)など、ラジオは『たまむすび』(TBSラジオ)にレギュラー出演中。また、著書『福島のことなんて、誰もしらねぇじゃねえかよ!』が発売中。

 福島がはじめての人は、いわきから行ったらいいと思います。港沿いに道の駅もあり、海鮮丼とか寿司とかも美味いし安い。「アクアマリンふくしま」という水族館も綺麗だし、よくできていて、1日中遊べる。僕も3回くらい行ってます。海鮮系のお土産屋とかもいっぱいあったりするし、いわきから始めればいいと思うんですよね。あとは、福島空港から少し行ったところに「リカちゃんキャッスル」というのがあって、ここはもともとタカラのリカちゃんの工場なんですよ。今は半分工場で、あとはテーマパークにしている。女の子がいる家庭だと、喜ぶんじゃないかな。リカちゃんの着せ替えができるし、上からリカちゃんを作っているところも見られる。そういう福島の魅力的な場所を見つけるのも面白いですね。

撮影/橋本直貴 構成/大塩 大
スタイリング/濱中麻衣子(桐原事務所)
衣装協力/チェックハット オーバーライド明治通り店(03-5467-0047)
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