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瀧本美織

瀧本美織

撮影/Jan Buus

 初めての挑戦は緊張や不安が伴うものだが、彼女の場合は期待や好奇心がそれらを上回るのかもしれない。9月22日には初の朗読劇『Every Day』に出演。声だけで表現することの難しさと楽しさを知っているからこそ、「すごくやってみたかった」と目を輝かせる。

「これまで舞台の経験はありますが、朗読劇は初めてなのでとても楽しみです。緊張はすると思いますけど、それも含めて楽しめたらいいのかなって。会場の皆さんの想像力をお借りしながら物語を完成させていくという、朗読劇ならではの面白さを体験できると思うので、今からとてもワクワクしています」

 今年の2月には自身初となるファンクラブを創設。10月15日には待望のファンクラブイベントが行われる。

「久しぶりに歌も歌います。リクエストを募集して多かった曲を中心に歌おうと考えているんですけど、私の歌だけではなく、他のアーティストの方の歌にもチャレンジしたいです。最近よく聞いているのは、Adoさんの『新世界』。自分を上げてくれる楽しい曲です。歌以外の企画も考えていて、アットホームなイベントにしたいですね」

瀧本美織

 10月には新ドラマへの出演も控えている。

「今まであまり演じてこなかった役で、正直かなりとんでもないキャラクターです(笑)。ただ、自分にとって新境地になる予感がしています。若い人から見てもゾクゾクするドラマになりそうですし、少し昭和のメロドラマのような雰囲気もあって、大人の方が観てもきっと満足してもらえる作品になると思います」

 キャリアを重ねたことで、今だからこそ演じられる役も増えてきた。2010年にNHK連続テレビ小説『てっぱん』のヒロイン役で脚光を浴び、以降もさまざまなドラマや映画に出演。女優として目覚ましい活躍を見せているが、同時にそれ以外の活動にも精力的だ。

「私の中で、常にチャレンジしたいという気持ちがあって、やっていないことに触れてみたいという気持ちが強いんです。チャンスがあるなら飛び込んでみるタイプです。その世界を知らないことがもったいないというか、好奇心が旺盛なほうなので。舞台も声のお仕事も大好きですし、お芝居以外にも『アナザースカイ』ではMCをさせていただいて、すごくいい経験になりました」

 自身のSNSでは特技のダンスも披露。そのイメージからはあまり想像できない鮮やかでキレのある踊りに、思わず惹きつけられる。

「私、しゃべり方がけっこうゆっくりなので、運動ができないと思われがちなんです。だけど、実はイメージとは真逆だということを言っておきたいです(笑)。ダンスもアクションもできるんだぞというのは、いろんな方に知ってもらいたいですし、いつか歌とダンスがメインのライブをやりたいです」

 やりたいことと、やるべきことに悩む人は少なくない。これまで、迷うことはなかったのだろうか。

「迷うこともありましたし、壁に突き当たることもありましたけど、やるかやらないかの二択だと、やらないという選択肢は選びませんでした。いろいろ考えていてもしょうがないですし、やってみなくちゃわからないこともあるので、考える前に動いていました。お仕事の最中はいろいろと悩みますし、失敗することもありますけど、その失敗も糧になる。何が起きても、すべて“あり”だと思っています」

瀧本美織

 もし、自分の道を決めきれない人に声をかけるとしたら?

「私は子どもの頃に芸能活動をはじめていて、当時は右も左もわかりませんでした。“嫌だ嫌だ”と泣いていたんですけど、両親が“こういうお仕事は誰でもできることじゃないし、一回やってみてから決めればいいんじゃない?”と背中を押してくれたから、やろうと思えたんですね。もちろん自分で道を決めることは立派ですけど、迷ったら周りの人の意見に乗ってみてもいいのかなって。それで道がひらけることもたくさんありますから」

瀧本美織 たきもとみおり 女優。1991年生まれ、鳥取県出身。2010年の映画『彼岸島』で女優デビュー。同年にNHK連続テレビ小説『てっぱん』のヒロインに抜擢。2013年には声優としてスタジオジブリのアニメ映画『風立ちぬ』に出演する。2022年はドラマ『ドクターホワイト』『黙秘犯』などに出演。10月20日スタートの新ドラマ『Sister』(読売テレビ・日本テレビ系/木曜よる11:59~)にW主演。

撮影/Jan Buus

ヘアメイク/SAKURA(まきうらオフィス)
スタイリング/井阪 恵(dynamic)
衣装協力/ドレス385,000円(コル ピエロ ドットコム/コル ピエロ 03-5458-5870)、イヤリング(ペア)31,900円、イヤーカフ22,000円(ともにラミエ/ラミエ 03-6303-4206)