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三吉彩花

三吉彩花

撮影/若木信吾

 『ウォーターボーイズ』や『ハッピーフライト』を手がけた矢口史靖監督の最新作『ダンスウィズミー』が8月16日に公開される。矢口監督にとっては長編映画10作目、しかも題材はミュージカル。オーディションで500人の中からこの映画の主演に選ばれたのは、モデルとしても活躍中の女優・三吉彩花だった。

「主演映画だし、しかも矢口監督が初めてミュージカル映画に挑戦されるということで、最初は『大丈夫ですか、私で?』という気持ちが大きかったです。自分に務まるのかという不安と、もちろんダンスや歌も時間のない中で、練習しなければいけなかったのもあります」

 レッスンはクランクインの2ヵ月前からスタート。実際に劇中で使われる振り付けを中心に練習を重ねていったが、想定外の出来事も。

三吉彩花

「踊る場所がマンションの中だったり、会社のオフィスだったりするので、微妙に障害物の配置などが異なるんです。なので、現場でちょっとずつ振りを変えたり、微調整したりしていきました」

 実際のミュージカルシーンでは、監督からのリクエストもあった。

「今回の役は催眠術にかかり、音楽が聞こえると歌い踊り出すという役だったので、監督からは『とにかく大きく踊って大きく歌って、ミュージカルスターのような気分でやってください』と言われました」

 こうして撮影を重ねるうちに、いつの間にか自信もついていった。

「撮影の折返し地点くらいから、自分でブツブツ考えるよりも、監督が明確なビジョンを持っているのだから、ある意味すべてを委ねて、監督のやろうとしていることを信じるのが正解かもしれないと思って。そう考えられるようになってからは、不安も少し無くなりました」

 完成した映画を観て「ジェットコースターのような映画」だという印象を受けたという。

「1時間43分があっという間に終わってしまいました。あれ、もう終わっちゃったの? という感じ。単純に、もう一度観たいと思いましたし、これから観ていただく方にも、2回、3回とリピートしていただけたら嬉しいですね」

 今回のテーマは「がんばれ、本!」。本を読んでいるときの時間の流れも意識する。

「長めの小説を読んでいるときは、割とあっという間に時間が経ちますね。カフェとかで読んだりすることもあるんですが、『もう夕方になっちゃったの?』みたいな。逆に詩集とか、短編小説を読んでいるときは時間がゆっくり。『まだお昼すぎか、もう少し読もうかな』って」

三吉彩花

 もともと読書は苦手だったが自分で文章を書いたりするようになり、本に興味が出てきたという。

「単語の使い方とか、どんなふうにストーリーが展開しているのかとか、単純に知りたいと思って意識的にいろんな本を読むようにしています。でも基本的にはミステリー系の小説が多いです。純愛物とかよりは謎を解いていくお話など、シリアスなものが好きだったりします。『え?……こんな……え?』って、いつの間にか夢中になっていたり(笑)。本によって感じることもまったく違いますし、本によって自分の行動が左右されることもあるので、そういう意味でも、本の力ってすごいなって思ったりします。まだまだ読んでいない本がたくさんあるので、いろんな人におすすめの本を教えてもらいたいです」

『ダンスウィズミー』
2019年8月16日(金)全国公開
とあるきっかけで、音楽が聞こえると歌い踊り出すカラダになってしまった静香。しかし、所かまわず歌い踊るせいで順風満帆だった人生がハチャメチャに!
原因を探し日本中を奔走するその先には、裏がありそうなクセ者たちとの出会いと、さらなるトラブルが! 果たして静香は無事に元のカラダに戻れるのか!?
(配給:ワーナー・ブラザース映画)
http://wwws.warnerbros.co.jp/dancewithme/
(C)2019「ダンスウィズミー」製作委員会

三吉彩花 みよしあやか モデル、女優。1996年6月18日生まれ、埼玉県出身。雑誌「Seventeen」のトップモデルとして絶大な人気を誇る。'17年には同誌を卒業し、「25ans」や「ELLE Japon」誌でモデルを務めるほか、女優として数々のドラマや映画に出演。主な出演作に『告白』『旅立ちの島唄~十五の春~』『ONE PIECE FILM GOLD』『いぬやしき』ほか。2019年8月16日には矢口史靖監督の最新主演映画『ダンスウィズミー』が公開。2020年秋には主演映画『Daughters(ドーターズ)』が公開予定。

撮影/若木信吾

ヘアメイク/牧野裕大(vierge) スタイリング/道端亜未(Ami Michihata) 衣装協力/Y’s(ワイズ)、YELLO(イエロー)、ROOM(ルーム)