仕事は大事。でも仕事がうまく行かないとポッキリ折れてしまう。そんな働き方はつらい。また、仕事を豊かにするためにも、仕事以外の自分の居場所というのは大事だ。人生は、仕事をするためにあるのではない。幸せになるために人生はあるのだ。著作『人生の<逃げ場>―会社だけの生活に行き詰まっている人へ』で、東京工業大学の上田紀行教授が説くのは、人生を豊かにするための「逃げ場」を持つことのすすめ。上田先生はとにかく「1年のうち、2週間続けて休む」「2週間休めないなら、まず1日の休暇を。それでも休みにくいなら海外旅行を決めて完全に休まなくてはいけない状況を作るのも一つ」という。この海外への旅は「転地療養」の一種であるが、これが新しい仕事を生んだ経験が上田先生自身にある。80年代に文化人類学のフィールドワークで滞在した2年間のスリランカでの生活だ。