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142JUL-AUG 2026.7.10
いつもの島で語り尽くす、
大人の軽やかな遊び方。
俳優・哀川 翔 × 俳優・原田龍二

 縁あって八丈島大使を務める俳優の哀川翔と原田龍二。公私ともに親交の深い二人は、台風被害の復興支援から、『哀川翔のオトナ倶楽部』での釣り対決まで、幾度となくこの島を訪れている。大人が本気で遊び、人生を最大限に楽しむための秘訣とは。そして、太平洋に浮かぶ八丈島の魅力とは。番組での釣り対決を終えた二人に、たっぷりと語ってもらった。

哀川 翔(以下、哀川) 去年の10月に八丈島は台風の被害に遭ったんだよね。大変なことになっても島の人たちは明るいし、前向きであることは間違いない。ただ、復興に関しては、まだ行き届いていないところもたくさんあると思う。電気や水道は復旧したけど、来島する観光客の数は減っているんだよ。やっぱり長い目で見ないといけないし、完全な復興までには、もう少し時間がかかるんじゃないかな。

原田龍二(以下、原田) だからこそ、我々も定期的に八丈島にお邪魔して、現状をしっかり見つめながら、島の魅力を外に向けて伝えていかなきゃいけないと強く思います。僕と翔さんは台風の被害から約1ヵ月後の2025年11月に島を訪れて、1,200食のうどんを島民や復興支援で訪れている方々にお届けしましたが、みなさん笑顔で喜んでくださったのが忘れられません。

哀川 1,200食って相当な数だと思うんだ。島の総人口が7000人弱だと考えるとね。それだけの人たちが温かいうどんを食べてくれたってことは、自分たちが足を運んだことに、多少なりとも意義があったんじゃないかな。「やって本当によかった」っていうのが率直な感想だね。みなさん「来てくれてありがとう」って言ってくれてさ。俺たちのうどんを届けたいという思いと、島の人たちのありがとうっていう思いが、あそこでつながった感じがしたね。

原田 僕、あのときにも言いましたけど、逆にこっちが元気にさせてもらったみたいなところがあって。島の人たちの元気をおすそ分けしてもらった気持ちです。

哀川 そうなんだよ。元気になってもらうつもりで八丈島を訪れたんだけど、逆に元気をもらうっていう。お互いの気持ちが通じ合うような瞬間が何度もあった。それは素晴らしいことだと思ったね。

 今年初となった2026年4月の来島は、山下奉也町長への表敬訪問や島の観光PRの他に、『哀川翔のオトナ倶楽部』の収録も兼ねていた。番組のテーマは、開始当初から変わらない“大人の遊び”について。特に二人が執念を燃やす遊びが、島での海釣り対決だ。

原田 僕は旅番組などで日本全国いろんな場所に行かせていただいているんですが、これだけ何度も訪れている場所はここしかないんですよ。八丈島では翔さんとの釣り対決も楽しめるし、自分の趣味である温泉も楽しめる。本当に特別な場所だと感じています。

哀川 そうだね。定期的に来られることを感謝しなきゃいけない。八丈島を訪れるたびに、島の魅力を全身で感じなくちゃと思うんだ。山も登ってみたいし、牛にも会いに行きたい。釣りも外せないよね。特に今回は、いつも狙っているカンパチのシーズンじゃなかったんだけど、オナガダイ(尾長鯛)が爆釣で最高だったね。

原田 今回も僕はゲストで番組に呼んでいただきましたが、最高でしたよね。休ませてくれないくらい釣れました(笑)。

哀川 でも、忘れちゃいけないのは、俺たちの目標は20キロ超のカンパチを釣ることだから。釣り船の船長が「次は絶対に釣らせる」って言ってくれているのは、頼もしい限りだよ(笑)。針が太くなると食いが悪くなるジレンマはあるけど、まずは20キロクラスの大物。それを釣ってから次の展開を考えればいい。

原田 たしかに。20キロを釣らないと、その先の話ができないですからね。前回の釣り対決で僕が釣ったのはたしか14キロのカンパチだったと思うんですが、そこからのプラス5~6キロってまた全然違うんでしょうね。

哀川 どうせ遊ぶなら、目標を決めて楽しくいかないとね。それに原田との“対決”だからいいんだよ。競い合うっていうのも大事だと思う。別に負けてもなんてことないんだけど、「勝つぞ」っていうモードにならないとつまらないもの。たとえ相手がいなくても、自分自身と競うわけ。「絶対に前よりも釣るぞ」って思えないと、やっぱり楽しくないよ。

原田 大人になるにつれて、だんだん純粋に競争することを忘れていくじゃないですか。芝居やテレビ業界の競争とはまた違う、遊ぶ中での純粋な競争モードになれるのが大事なんですよね。逆にこのスイッチが入らなくなったら怖いと思います。

哀川 でも、原田は釣りへの向き合い方がまだまだ足りないな(笑)。今回も釣るところを見てたんだけど、餌を投げ入れるときにけっこう手間取っていて、タイミングもスムーズじゃなかった。糸が絡まないように海に落としていって、カモメが来る前にリールをオンにする。この段取りができてないからトラブルになるんだよ。海の中の状況もまだわかってない。次からはお願いしますよ。

原田 釣りの話をしてるときの翔さんの目が一番怖いんですよ(笑)。まさにそこが僕の弱点です。糸が絡んじゃってましたから。

哀川 一方で、原田の強みは「まだまだでかいの釣ってやるぞ」っていう意欲があることなんだよ。何度も言っているけど、魚は「釣るぞ」って思いがないと釣れないから。

原田 前回の釣り対決では船酔いしてしまったんですけど、吐いても釣りをやめなかったですから(笑)。でも、「釣るぞ」という気持ちも翔さんには負ける気がします。本当に欠点がないんですよ。弱点がない。

哀川 いや、欠点も弱点もあるのよ。本当に釣りが好きだから、めげないだけ。「絶対に釣る」っていう覚悟で船に乗るから、いつもすげえ顔してると思うよ(笑)。前半に釣れなくても、後半のみんなが疲れて竿を上げた瞬間に「よし、俺の時間がきた」って思うから。どんなときでも竿を振り続ける。絶対に止めない。それだけだよ、俺は。終わったらぐったりしてるけどね(笑)。

原田 翔さんを見ていると、本当に遊び方のプロって感じがしますよ。本気で遊ばないとダメだということが伝わってくる。上っ面だけで遊んでたら、本当の遊びの楽しい部分に到達しないのかもしれない。

哀川 俺は船の免許も取らせてもらえなかったからね。家族から「免許を取らせたら海から帰ってこないだろう」って思われて(笑)。でもね、それでよかったんだよ。趣味なんて、深みにハマりすぎないくらいがちょうどいいんだから。釣りなんて、いくらでも知識や技術を突き詰められるでしょ。でも、マニアックになりすぎるときっと嫌になっちゃうと思うんだ。中途半端でいいんだよ。何事も極めすぎると飽きちゃうから。

原田 それが長続きの秘訣なんでしょうね。僕の趣味の温泉も同じで、極めようと思えば泉質はどうだとか、効能はどうだとか、いくらでも極められるんですけど、そこは自分の中では必要としていない。頭を使わずに気持ちよくお湯に浸かるのが一番ですから。僕の気持ちよさそうな顔を見てくれれば、わかるでしょっていう(笑)。

哀川 そうそう。細かいこと言うなよってね。俺の場合は主に釣りだけど、全力投球しながら、あくまでスタンスは軽く。そのバランス感覚が大人の遊びには必要だと思うんだ。

 年齢を重ねても衰えることのない遊びへの情熱。そのエネルギーは、本業である役者の仕事にも大きく直結しているという。

哀川 遊びに真剣になれるかどうかっていうのは、その人の気力を測る目安になると思う。趣味に真剣に取り組めるのなら、仕事も同じテンションでやれるはずだから。気力があれば「だるいな」なんて思うこともない。俺も、昔のような無鉄砲さはなくなったけど、気力そのものは20代や30代の頃とあんまり変わってない気がする。気力の充足が仕事にも影響していると思うんだ。

原田 翔さんは“人間力”が強いんだと思います。自分の高め方を知っているというか、エネルギーが湧き出てくるというか。いつも元気で、年下でもよっぽど気合を入れていかないと置いていかれますから。守りに入らない、攻めの見本みたいな方だなと。僕が翔さんと初めて仕事でご一緒したのは25歳くらいだったと思います。もう30年も前ですが、あの頃から印象が変わっていないんです。鮮烈なかっこよさがあった。それは外見だけの話じゃなくて。外見がかっこいい人はいくらでもいますけど、翔さんは中身もかっこいい。30年もお付き合いがあって、今もそう思える人なんて、片手で数えられるくらいしかいないですから。出会った頃から今に至るまで、哀川翔という俳優の側にいられるというのが、僕の財産ですね。

哀川 そう思ってもらえるのはありがたいね。2024年公開の映画『一月の声に歓びを刻め』で共演したときにも思ったけど、原田はいつも自分の芝居のペースをしっかり守っているよね。俯瞰しながらちゃんと自分を保ち続けている。その安定感は貴重だよ。例えば、映画でもドラマでも、主役が常に100%の力を発揮するのは本当に難しくて、共演者がどれくらい助けてくれるかで、その作品の良し悪しって決まるんだよ。原田はいつも俺にやりやすい状況を提示してくれるし、俺がある程度脱線しても修正することができるんだよね。すごく安心できるし、俺が言うのもなんだけど、良いコンビだと思ってるよ。

原田 それは僕が単純に翔さんのことが好きだからですよ。もちろん相性の良さもあると思いますけど、自然とそういうモードになるんだと思います。

 番組でも阿吽の呼吸を見せる二人。観光や環境美化の取り組みをPRする八丈島大使として、共に島を盛り上げたいという思いは強い。最後に、これから八丈島を訪れる人へ向けて、熱いメッセージをもらった。

哀川 『哀川翔のオトナ倶楽部』って、「大人は遊びが足りないよね」という問いかけをずっとしているんだけど、その答えの一つが八丈島なわけ。釣りをして、ゴルフをして、温泉に入って、美味しいものたくさん食べて、とにかく遊び尽くせる島だから。期待して来てほしい。それに、初めて来島する人には、まず島の空気感を味わってもらいたいね。やっぱり都内とは全然違うんだよ。理屈抜きに元気が出る。空港に降り立ったら、まずはその空気感を全身で感じてほしいね。

原田 他の観光地のような派手さはないかもしれませんけど、落ち着きがあって、体も心も元気にしてくれる島ですよね。海に行ったらはしゃげるし、温泉に浸かったら癒される。自然も豊かなので、疲れている人にこそおすすめかもしれません。

哀川 島ではちっちゃい子どもがよく笑ってるんだよね。声かけるとニコニコしていてさ。たぶん子どもが島の良い空気を一番敏感に感じ取ってるんじゃないかな。子どもの笑顔に嘘はないからね。

原田 こればかりは来ていただかないとわからないですね。一度でも島に来てくれれば、僕らの言っている意味がわかっていただけると思います。

哀川 そうだね。復興に向けて島民のみなさんが頑張っていて、その姿には俺たちも勇気をもらえたし、大使として力になれることがあれば、いつでも駆けつけたいと思ってる。番組も今回は最大の釣果だったし、今から次回の八丈島が楽しみだよ。

哀川 翔 あいかわしょう 俳優。1961年生まれ、鹿児島県出身。一世風靡セピアのメンバーとしてデビュー後、ドラマ『とんぼ』や映画『オルゴール』に出演し、その演技力を認められ、Vシネマデビュー。数多の出演作と、その存在感から「Vシネの帝王」と呼ばれる。YouTubeで『哀川翔のオトナ倶楽部』が配信中。

原田龍二 はらだりゅうじ 俳優。1970年生まれ、東京都出身。俳優として活躍する一方で、バラエティなどにも出演。現在、『原田龍二の日本全国!湯一無二』(TOKYO MX)に出演中。『カラオケ大賞』(チバテレ)ではMCを担当。YouTubeチャンネル「ニンゲンTV」主宰。
『哀川翔のオトナ倶楽部』
#101「復興に向けて確実に歩んでいます!八丈島!!」
八丈島大使の哀川翔と原田龍二が、復興の進む八丈島にまたまたやってきた!復興が進む八丈島で、釣りに、温泉に、山下町長に表敬訪問に。八丈島の今を二人が伝える。
『哀川翔のオトナ倶楽部』最新回はこちら
写真(上から2・3・4・5・8枚目)/森田直樹(アフロスポーツ)
写真(上から1・6・7枚目)/朝倉 健(アフロスポーツ)
Photo(2nd, 3rd, 4th, 5th, 8th images from top)Naoki Morita (AFLO SPORT)
Photo(1st, 6th, 7th images from top)Ken Asakura (AFLO SPORT)