人は、嫉妬する生き物であることは言うまでもない。嫉妬心を抱くことは、どこか後ろめたさが付きまとう。『嫉妬のお作法』の著者で、心理カウンセラーの川村佳子先生はこう説明する。
「心理学では優越の欲求と言うのですが、人間は本来、誰よりも優れた存在でありたいという気持ちが備わっていて、その欲求の満足が脅かされたときに嫉妬心を抱きます。人間の自我は1歳半くらいから芽生えると考えられていますが、その頃にはいかに母親の関心をひくかということから嫉妬心も持つようになります。その後、発達段階を経て成長していくごとに世界が広がり、嫉妬を抱くきっかけになる対象も友人や同期だけでなく、所有物や財産、就職や出世などに広がっていきます」
長く生きるほど、嫉妬心を抱える状況は増えていく。だが、多くの人はできれば嫉妬心を抱きたくないと考えているのではないだろうか。