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 石田たくみさんと竹内まなぶさんによるお笑いコンビのカミナリ。賞レースでも結果を残し、バラエティ番組にも引っ張りだこの2人だが、基本的には自分たちのやりたいことをやっているだけだという。
たくみ 一応、「こうやった方がみんな喜ぶだろうな」というのはあるんですけど、まずは自分の衝動を大事にしています。自分たちが面白いと思うことを100%でやって、お客さんが60%くらい笑ってくれればそれでいい。もちろん、100%に近づける作業は常にしていきたいですけどね。そういう意味ではわがままかもしれません。
まなぶ 自分たちのお笑いの価値観がお客さんの笑いの基準になればいいですね。でも正直な話、ちょっとお客さんに寄せたときほどお金になるんです。
たくみ いやらしいな! せっかく格好いいこと言ってたのに(笑)。言い替えると、舞台に合わせて見せ方を調整するという話です。
 カミナリの特徴でもある“どつき漫才”は、地元・鉾田市で行ったライブがきっかけで誕生。以来、2人はそのスタイルを貫き通している。
たくみ ご縁があって、地元でライブをやらせていただいて、友達も身内もみんな来てくれたんですよ。でも、全然ウケなかった。もう悔しくて悔しくて、なぜか、まなぶのせいだと思ってしまったんですね。
まなぶ それ自分に責任があるとは思ってないよね。ひどいな~。
たくみ ウケないときはいつもまなぶのせいだと思ってるからね。それで、なんの脈絡もなく、ライブ中にまなぶの頭を思いっきり叩いたんです。そうしたらドッと笑いが起きて。「なんだこれは?」と思って、もう一回叩いたら、やっぱりウケる。「これは何かあるぞ」と思って、漫才に取り入れたのが始まりですね。そもそも、まなぶは叩くと怒る人間だったんです。芸人になる前は、叩かれるとキレてましたから。
まなぶ 暴力は嫌いだ。でも、舞台でウケるならいいかなと思ったんです。やるなら、思いっきりやってほしいし、今の漫才を作るときも最初に「思いっきりぶん殴ったほうが面白くない?」と提案しました。
たくみ 「オメェが言ったんだからな?」って叩いたら、叩かれたまなぶが一番笑っていました。カミナリは2人でいろいろアイデアを出すんですけど、最終的にはまなぶがOKを出さないと進まないんです。基本的にまなぶは優しいので「やろう」と言ってくれるんですけど、1ヵ月に1回くらい、自分の信念とは違うのか、「いや、それはやらない!」って言ってくるんです。あ、まなぶのわがままが出た、みたいな。
まなぶ それはたくみがニュースを見なさすぎるから。「今、それをネタにするにはちょっとホットすぎるぞ」というものを平気で出そうとするんですよ。そういう微妙なネタは、止めるようにしています。
 幼馴染だという2人の友情は、数々の番組で証明済み。今後やってみたいことを尋ねたら、コンビの絆を感じさせる答えが返ってきた。
たくみ 大学生の頃から映像を撮ることが好きだったので、1本の長い映画を撮ってみたいですね。今、ショートムービーを撮ってYouTubeにアップしているんですけど、それもまなぶが「やってみれば?」と言ってくれたからですし、まなぶにも出演してもらっています。映画に関しては、まなぶが僕のわがままにつきあってくれていますね。
まなぶ たくみのやりたいことなので、人の目を気にせず自分の思うままにやってほしいです。僕はカミナリのお笑い番組がやりたいですね。脳みそがワクワクするような番組を2人で作っていけたらと思っています。そして、最終的には小中学生が僕らを見て「芸人になりたい!」と思うような存在になっていきたいですね。
カミナリ お笑い芸人。共に1988年生まれ、茨城県出身。幼馴染の竹内まなぶ(左)と石田たくみ(右)により、2011年に結成。テレビ番組では、『カミナリのチャリ旅!シーズン4』(とちぎテレビ)、『おはスタ』『今日からやる会議』(共にテレビ東京)、ラジオ番組では『大竹まことゴールデンラジオ(木曜日)』(文化放送)などにレギュラー出演中。出身である鉾田大使、いばらき大使としても活動。
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