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「朝日が苦手でした、昔は」と笑いながら語る女優・佐藤仁美。自他ともに認める酒豪で「朝……いや昼まで飲むことも(笑)。当然夜型で、朝の日差しなんて大敵」とは本人の談。そんな価値観が変わったのは、3ヵ月で12.2㎏の減量に成功したダイエットがきっかけだった。
「本当にガラッと変わりました。あんなに朝の光が嫌いだったのに、今は朝日を感じながら目覚めると心地いいんです。寝室の遮光カーテンを日差しが感じられるものに変えちゃったくらい(笑)。人間、こんなに変われるものか、と。もちろん、ちょくちょく飲みに出たりもしていますが……。スタイリストさんも選べる衣装の幅が広がって、喜んでいます。私も、こんなのも着られるようになった!って、楽しいんですよ。昔は考えられなかったですからね、今回のような腰にベルトをするような衣装は……。体型が隠れるようなものばかり選んでいましたから」
 そんな彼女だが実はNHK朝の連続テレビ小説『あすか』(’99)でヒロインのライバルを演じて以来、その後も『ファイト』(’05)や『おひさま』(’11)、『とと姉ちゃん』(’16)に、『ひよっこ』(’17)と、5本もの朝ドラに出演した経歴を持つ“朝ドラ女優”。日本の朝の顔ともいえる国民的ドラマに出演したことをこう振り返る。
「初めて出演した『あすか』は、大阪で撮影していたので大阪に住み込んで撮影しましたが、それ以外の作品は途中で参加して途中で抜けるようなパターンが多かったんです。朝ドラは、サッと現場入りしてババッと撮影してサッと終わったような印象ですね。スピーディだったから、自分でも“えっ、私そんなに出演してた?”って思ったくらい(笑)。でも主演の方は本当に大変で……やはり出ずっぱりですから。そばで見ていて、主演の大変さを感じましたね」
 現在は自身初となる主演連続ドラマ『我が家のヒミツ』(NHK BS)に出演中。田中直樹、八嶋智人、永井大、岸谷五朗が演じる4人の夫を相手に4人の妻を演じ分け、ユーモラスな会話劇を繰り広げる。
「連ドラではあるんですが、4役を演じますし、夫役も4人。なので、どこか私もゲスト感覚で、不思議と初主演の連ドラという気負いはありません。とはいえ短いスパンで別の女性を演じ分けることはこれまでなかったので大きな挑戦ではありました。でも、夫たちが次々に私を労ってくれて。『次、また夫が変わるんでしょ?大変だねぇ』って(笑)。どの夫婦にもあるあると共感してもらえると思いますし、何だかんだで『こういう2人っていいよね』と、笑って楽しんでいただけるはず」
 ドラマでは妻を演じている彼女だがプライベートではお相手募集中。ダイエットの折には「モテたい!」と口にして憚らなかったが……。
「痩せてからは、会う人会う人、みんなにほめてもらえるんです。でもそれだけですね(笑)。痩せた私に、緊張しちゃっているのか……私としてはウェルカムモードなんですけどね。今もダイエットは継続中。今朝もちょっと早起きして湯船にも浸かってゆっくりしてから、ブランパンのサンドイッチを食べてきました。始めた頃は、なんでこんなに辛いことをしているんだろう……って思いましたけど、今は楽しいんです」
 魅力的に生まれ変わった暁に、女優として目指すものは?
「具体的に演じたい役とか、やってみたい役はそんなにない。今までもそう。頂いた役を演じるだけです。女優は終わりのない仕事ですから」
 女優としての朝は、自然な目覚めのように何気なく、さり気なく。苦手だった朝日のようにキラキラと、この先も演じ続けるのだろう。
佐藤仁美 さとうひとみ 女優。1979年生まれ、愛知県出身。第20回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞し、芸能界入り。昨年2018年はドラマ『ヒモメン』『オー・マイ・ジャンプ!~少年ジャンプが地球を救う~』などに出演。現在、NHK BSプレミアムにて、連続ドラマ初主演作となる『我が家のヒミツ』(毎週日曜22時~)が放送中。また、3月25日(月)~28日(木)にNHKにて『ひよっこ2』(19時30分~全4回)が放送。
ヘアメイク/藤田響子 スタイリング/西脇智代 衣装協力/コート(LA BELLE ETUDE)、アクセサリー(anq.)
特集 朝を、生きる。
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