2014年に開業した52階建ての超高層ビル、虎ノ門ヒルズ。手がけたのはライティングデザイナーの内原智史さん。最上部には、内原さんのデザインした、このビルを象徴する光が瞬いている。一方で、レストランフロアは極限まで明るさを抑えた仕様デザインになっているという。
「コンセプトは、『コンフォータブル・ダークネス』、つまり『快適な暗さ』。ぎりぎりまで暗さを追求した照明デザインです。ほどよい明るさの抑揚で食事や会話に集中できるし、プライバシーも守られる。大事なのは食べながら会話するという行為の中に創造性のキャパシティがあるかどうか。全部見えちゃうと、それがなくなってしまう」
内原さんの事務所では、過去22年間で約760ものプロジェクトを担当してきた。その中の一つに金閣寺のライトアップがある。この時に衝撃的な体験をしたと彼は言う。