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土田晃之

土田晃之

撮影/Jan Buus
取材・文/小池貴之

土田晃之

土田晃之

 現在、三男一女の父である土田晃之。一家の大黒柱として家族を守る彼に、自身が子どもだった頃の「土田家」について聞いてみた。

「僕が子どもの頃は、ちょうど高度成長期。土建屋さんだった親父は、ずっと働いていたなという印象ですね。でも、日曜日になると必ずどこかに連れて行ってくれました。練馬にいた頃は豊島園に行きましたし、大宮に引っ越して親父が車の免許を取ってからは、ゴールデンウィークに親戚みんなが集まって旅行に行くのが恒例行事に。仕事は忙しかったと思うんですけど、親子の触れ合いは多かったですね。とにかく、親父は子どもの面倒見が良かった。今は孫にデレデレですよ(笑)。母親は教育熱心な人でガミガミ怒られたこともありましたけど、そういう時は親父が僕の言い分を聞いてくれたりして。ただ、怖い存在でしたよ。母親には逆らえても親父には楯突けない。常に敬語でしたからね(笑)」

土田晃之

 自分が家庭を持つというイメージは、昔から全然なかったという。

「“理想の家族”って何だろうみたいなことは考えたことがなかったですね。結婚したのが25歳の頃。芸人仲間の中では比較的早い方だったし、気が付いたら長男が生まれて、どんどん家族が増えていったという感じ。理想的な家族だなんてことは思ったことがないし、人様に勧めるつもりもないです。家族というものは100組いたら100通りの形があって当たり前。カカア天下の家があれば亭主関白のパターンもある。子どもの人数でも変わってくるだろうから正解はないですよね。子どもとの接し方に関しても、特別なことはしていません。何か悪いことをしたら注意する。それが大前提で、どうすれば子どもに届くのかを考えながら冷静に向き合っています。家の中では日々、些細な出来事が起こっていますけど、それも込みで楽しいんじゃないかなと思っています」

 それぞれの家庭には、その家ならではの“ルール”が存在する。土田家には何とも微笑ましい“決まり事”があるとか。

「ルールというか、約束事はありますね。家族6人なんですけど、誕生月がみんなバラバラ。だから、クリスマスを加えると、ホールケーキを用意するイベントが12ヵ月中、半分以上あるんです。その時だけは家族全員集まってお祝いをするというのが、お約束になっていますね。誕生日の人が主役だから、その人が食べたいものを決められるところが面白い。この前も、テレビで見たお店に行きたいというリクエストがあったから、家族全員で行きました。今は子どもも大きくなってきて、部活や塾などがあるから平日の夜に全員が揃うのは難しい。日曜日の夜ぐらいですよね、唯一みんなで一緒にご飯を食べられるのは。だから、この家族のイベントはこれからも大切にしていきたいですね」

土田晃之

 また、芸能界には「○○ファミリー」と言われる、家族のような付き合いをしているグループもある。彼の話にもよく出てくるダチョウ倶楽部の上島竜兵を中心とした“竜兵会”を家族に例えるとしたら…。

「僕がお母さんで有吉(弘行)がお父さん。行方不明の長男が肥後(克広)さんで、みんなから世話を焼かれているじいさんが上島さんでしょうね。上島さんは寂しがり屋だから、みんなと一緒に飲むのが大好きなんです。僕が20代、30代の頃は朝まで付き合わされて大変でしたけど、最近の上島さんは夜の10時になるとベロベロ。酒を飲むピッチは変わってないけど、単純に弱くなっているんでしょうね。潰れるのが早くなりました。しかも、自分から誘って後輩に断られるとフラれた気持ちになるからといって、上島さんからは声を掛けてこない。だから、基本的には僕から誘っているんです。面倒くさいでしょ(笑)」

土田晃之 つちだてるゆき 1972年9月1日生まれ、埼玉県出身。お笑いタレントとして『にちようチャップリン』(テレビ東京系)、『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)『土田晃之 日曜のへそ』(ニッポン放送)などにレギュラー出演中。

撮影/Jan Buus 取材・文/宮崎新之

ヘアメイク/氏川千尋 スタイリング/湯浅悦子(Y2) 衣装協力/シャツ、パンツ マウリツィオ バルダサーリ(双日インフィニティ03-6867-1551)/Tシャツ イッカ(株式会社コックス0120-39-9200)