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西田あい

愛され上手

1988年7月14日生まれ、鹿児島県出身。2010年歌謡曲歌手としてデビュー。美人演歌歌手として注目を浴びる。2016年10月19日第7弾シングル「最後の頁」リリース。BS日テレ「歌え!昭和のベストテン」毎週土曜21:00~、bayfm「The BAY☆LINE」毎週木曜16:00~、文化放送「西田あいのおしゃべりあいランドBAR」毎週土曜QR17:45~/HBC17:50~、毎週日曜SF18:00~/OBC17:00~

西田あい

愛され上手

「愛されて、夏。」

2016.8.20

毎回このコラムを書く場所・タイミングはバラバラなのですが、今回は海からの帰り道、車の中でたそがれるうちに・・気がつけばこうやって書き始めています。

え!海?夏らしくていいでしょ。バカンス!?
いえ、お仕事で海に行ってきたんです。

ジリジリと肌に焼き付けるような日差しを浴びながら向かった先は千葉県最南端・南房総白浜。アツい人たちのいる海沿いの町です。今年で3度目の参加となったお祭りへの出演。
到着するやいなや「今年も来てくれてありがとう」と声をかけてくださる地元のみなさん。
いきなり胸が熱くなるような歓迎に心温まりながら、久しぶりにお会いするみなさんとひとしきりの挨拶を済ませ、控室となっている旅館へ。もちろんこの旅館も3度目の訪問。

こちらの女将さんと旦那さんがまたとってもハートフルで、再会に心温まりながら互いに近況報告をしていると・・
「この前のテレビ観たよ~!」「ラジオもいつも聴いてるんだよ~!」と。嬉しいですよね。
そして「おかえり」と声をかけてくださる。
「ただいまぁ」と言える場所が全国いろんなところにあるなんて・・私はなんて幸せものなのでしょう。つい、たそがれてしまいます。


さて、今回のお祭り会場は目の前が海!
最高ですよねぇ~潮風を浴びながら開放的な気分になれます♪
そういうロケーションはお天気がかなりポイントになるわけですが、素敵なサンセットを背に受けながら・・それはもう・・本当に素敵なんです!歌謡曲がより一層沁みるシチュエーションなんです!

シみるシチュエーションといえば、西田あいのデビュー曲が「ゆれて遠花火(とおはなび)」という花火にちなんだ作品という事もあり、各地域の夏祭りで歌わせて頂く機会が多いんです。その中でも花火打ち上げの前に歌う事が多く、そうなると暗くなってからのステージなんですよ。
となると、ライトを当てて頂くことになりますよね?
みなさん、想像してみてください・・・

暗闇の中、ライトを集中的に浴びる私の元へ虫たちが駆け寄るのを・・。
顔を、腕を、脚を虫たちが歩き・・。
それでも動じずに歌い続けるんです!!
ねっ、シみるでしょ?

・・あれ、シみるの意味が変わってしまいました。


話を戻しましょう!

ステージ上から見える1年ぶりの景色、みなさんの表情を目に焼きつけながら・・客席に降りて握手をさせて頂きながら歌って・・あっという間の約40分間、計9曲を歌わせて頂きました。

お祭りは地元の方による大綱引きと花火でエンディングを迎えました。
南房総といえばあたりでもひときわアツい人たちが多いエリア。見るからに怖そうな・・いや、アツそうなスキンヘッドやリーゼント風な男性陣が汗をたくさん流しながらお祭りを盛り上げていました。
そういう地元の方との交流というのも、各地に行った際の楽しみのひとつですからね♪
なのに今回はみなさんとゆっくりお話できていないままだったので、打ち上げでカンパ~イとなったあと、勇気を出して・・話しかけてみたんです。


「西田あいです、みなさんお疲れ様でした」

自己紹介をすると、怖そうな・・いや、アツそうなみなさんの反応が徐々に変わっていくんです。
そして口々に「おぉ、本物だぁ」「へぇ~小さいんだ」「色白だなぁ」という声。
あれれっ?怖そうだなと思っていたけど、なんとなく西田あいの事を知ってくれている雰囲気だなぁ、ひと安心!と思い、詳しく話を聞いてみると、ラジオをいつも聴いてくれているのだそう。

担当させて頂き4年目になるラジオのレギュラー番組、このエリアはリスナーさんが多いようで私の外見というよりも「西田あい」という名前や声を聴いて気付いてくれる方がたくさんいらっしゃいました。

ラジオって「声」や「音」だけの情報から色んな事を想像して聴くじゃないですか。
話す側の人間としても、マイクの向こう側で一体どんな人が聴いてくれているんだろう?
どんな風に聴いてくれているんだろう?といつも想像しながら話しているのですが、こうやって実際にラジオで繋がっている人にお会いしてみると、思っていた以上にラジオの反響がある事がなんだかとっても嬉しくて・・打ち上げでいただいているお酒がより一層美味しく感じられました。


その時です!!!私は不思議な体験をしたんです。
目の前で繰り広げられる賑やかな打ち上げの様子が突然スローモーションになり、全ての音が消え、私の頭の中はまるで海の奥深くに居るような感覚に・・。
ふとよぎったのは、つい先日ファンの方がおっしゃった言葉。
「私は100歳まで生きるつもりなんです。日数にするとあと15000日。その間にあいちゃんの番組を観たり聴いたり、イベントで応援できる回数のカウントダウンが始まっていると思うと、一瞬も逃したくないし、一回一回が特別なものになる」と。その方のお言葉が頭の中をよぎったんです。


・・たそがれ西田です。


なにげなく過ぎていく毎日の中で、なかなかその全てに意味を持たせ、感謝し、ひとつひとつ噛み締めて生活するということは難しいと思うんですよね・・。
今日食べたご飯の味、そのシチュエーション、そこで見た景色、通った道・・その一瞬一瞬がかけがえのない思い出として刻み込まれる・・。

西田あいの歌やトークを聴いてくれた時、それがその人にとってかけがえのない一瞬になっていると思うと”頑張らなくちゃ”と今までの西田はそうやって自分に言い聞かせていましたが、その思いが変なプレッシャーになっていたんです。(自分で自分にプレッシャーを与えていたなんて、おかしな話ですよね。)
でも今は巡り巡って”自然体で、ありのままでいいじゃない”という気持ちでいます。
それが一番、みなさんの心と繋がれる方法だと思うから・・・
真摯にまっすぐ向き合いたい・・・


いま目に見えているモノや応援してくれている皆さん、会いに来てくれる皆さんはもちろん大切で、これからも大切にしていきたい!!

そして今回出会った南房総のアツいみなさんのように「いつも密かに応援してます」という、全国にいるであろうサイレントリスナーやサイレントファンのようなまだ会ったことのないたくさんのみなさんにも、これからもっともっと会いたい!!!


・・たそがれ西田です。
楽しいお仕事の後の美味しいお酒のおかげで、ついついたそがれてしまいます。


この夏もまた様々な場所で歌わせて頂いています。(時には虫たちとお付き合いしながら!汗)
どんな出会いが待っているかドキドキ・ワクワクします!!
ふと西田あいの声を耳にしてくださったその人のかけがえのない一瞬に寄り添える歌を、言葉を、これからも心を込めて紡いでいきたいなと思う夏・・たそがれ西田でした。

まだまだ厳しい暑さが続きます。
みなさんどうぞご自愛くださいね。
そしてまた来月ここでお会いしましょう!