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寿大聡

寿大聡のコラム侍

仲代達矢主宰の無名塾出身。2013年 三池崇史監督作品『地球兄弟』主演。同年、ローマ国際映画祭特別上映作品に選ばれ、三池崇史監督と共に同映画祭のレッドカーペットを歩く。その他主演作:長崎の鐘/紀伊国屋ホール、婢伝五稜郭/俳優座劇場、荒木町ラプソディー/シアターX、蜩ノ記/NHKラジオドラマ、五稜郭残党伝/俳優座劇場、夜を急ぐ者よ/俳優座劇場、他、映画ドラマ多数出演

寿大聡

寿大聡のコラム侍

『謙虚と経験と自信のあいだ』

2016.6.20

皆様今月もお会い出来て嬉しいです!
爽やかで心地よい季節が終わり、ジメジメが続いておりますが如何お過ごしでしょうか?
小さい頃は兎に角、真夏と真冬の両極端が大大大好きで、その時はそれがなぜ好きなのか全くわからなかったのですが、単純に学校が休みなのと、遊べる色々が多かったからなのでした。
今となっては、5月と9月10月辺りが気持ちいいし最高です。もうそれって、そう感じ始めた自分って・・・と、ふと生活の中で大人になった感を感じる瞬間です。
自分の心や考えは高校ぐらいから変わってないと自分の精神内では思っているのですが、自然と環境、食の好みが変わってくると、あっ、おっさんになってきてるわーとか思います。あと若い世代に接する時ね!最近感じますねー。
10代20代の頃は、厳しい先輩や先生やお師匠の下で育って、目上の方々に「近頃の若い奴は」とか怒られながら過ごしてきて、「またそれすぐ言うー、おっさんそれすぐ言うー」とか内心思っていたり。(まっ、そのおかげで、チャラチャラ調子こいてた奴らより勿論怒られ慣れているし、礼儀や言葉遣い、人への思いやりや気遣いに対しては気を付けて過ごしております。ただ、相手によりますけどもね。何にも尊敬できなかったり、恩を仇でかえしたり、意地悪だったり、先輩のくせに先輩らしく振る舞えない方に対してはちょっとね・・・。)そんな中ふと、昔に言われてカチンと来ていた「近頃の若い奴は」的な事を自然と自分が言っちゃってるのに気づいてしまったのです。まさか自分は言わないだろうと思っていたのに。はい、オッサン感を感じた瞬間です。
先月、日テレの「ゆとりですがなにか」というドラマに出させて頂いた時にも、宮藤官九郎さんのゆとり世代に対する描写に共感しっぱなしで、ただしかし、ゆとり世代だからその世代全員がという事ではなく(だってその世代でも素晴らしい子は沢山、僕の周りにもいますし!)あくまでその世代の傑出した馬鹿が、抜群に抜きんでた馬鹿すぎて目立っちゃったというだけなのです。礼儀やマナーや思いやりや優しさって、勉強できる云々じゃないしね。
近頃は撮影現場でも、若手でめっちゃ勘違いしてるめっちゃ調子こいた奴が多いって事につきますね、はい。全然キャリアも目立った実績も無いのに自信は異常にあるっていうね。そして怒る先輩がいないっていう。これは本当に業界あるあるですね。若手の中で、あの「別に」騒動が今も流行っているとは思わないし、あれは既にスターの人がやったからまだ何とかなったものの、まだキャリア数本のクソガキにあんな感じの態度を目の前でとられてもこっちはどうしたら良いかわかんないしね。共演者の先輩達に挨拶一言もしない、現場でずっと感じ悪い態度してる、ってもうどうしたらいいのかなー。なので、そんな時は、必ず僕は先に「寿大聡です。よろしくお願いします!」と言いに行きますね。これで現場もほぐれるかなと思ってね。しかし、しかししかし、謙虚にしてると他人ってムッチャナメテくるものなんですよねー。あっ、こいつ自分より下だな、って思うのでしょうね。謙虚に優しくしてると。なんでしょうかね、勿論僕のウィキも見てないし、キャリアも知らないからね、ナメテきて終始失礼になるっていうね。しかし、自分が厳しく学んできた事を他人に強要する訳にはいきませんし、難しいですよね。まっ現場では我慢が一番!ただ、街であったらキャーン言わせちゃうぞ(昔だったら)っていうね。初心を忘れず謙虚に!!拳をグッと我慢して!!を心のスローガンに頑張ります。いや僕も、自信をもっともっと持ちたいと思っていますが、常に不安と心配とが強く心を蝕んでいますので、毎日毎日トレーニングしたり稽古したりが止められないのです。本当に小心者の自分が腹立ちます。あの、キャリア無い、努力しない、芝居めっちゃ下手、なのに自信にみなぎっている人、を見ると本当に羨ましい!けれどもね、僕は僕の性格や能力や運命を受け入れて、今できる事を精一杯!という感じでやっていきますー。

はい、という事で、皆様お付き合い有難う御座いました!
今月もダラダラとお話しさせて頂きましたが、今月は何よりも洗濯物の生乾きにはお気をつけて!!!
外出中ずっとへこみっ放しになるので!!!
ではまた来月お会いしましょう!!!