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小宮山雄飛

小宮山雄飛の〈音楽〉

ホフディランのボーカルにして渋谷区観光大使兼クリエイティブアンバサダー。「TORANOMON LOUNGE」のプロデュース、食関連の番組レギュラーや雑誌連載も担当するなど幅広く活躍。
詳しくは「hoff.jp」へ!

小宮山雄飛

小宮山雄飛の〈音楽〉

音楽その20

2016.10.20

僕は1973年生まれですが、年上の従兄の影響で洋楽にどっぷりハマったのは、小学校3年生の頃、つまり1982年ということになります。
1982年のビルボードの年間トップ100を見ると、1位がオリビア・ニュートン・ジョンの『フィジカル』です。クラスの友達たちは、ほとんど洋楽など聴いていなかったので「オリビア・ニュートン・ジョンってどういう意味?」と、なにかの呪文のように不思議がっていました。
チャートを見ると、他にもホール&オーツやメン・アット・ワークなど、たしかに洋楽の原体験として覚えている名前がずらっと並んでいます。そうか、この年から洋楽を聴き始めたんだ・・・と感慨深くなります。

82年が洋楽の聴き始めだとすると、83年は僕がその後洋楽オタク、そして果てにはプロのミュージシャンになる流れを決定づけた年でした。
同じくビルボードのチャートの上位に並ぶ、ポリス『見つめていたい』、マイケル・ジャクソン『ビリージーン』、メン・アット・ワーク『ダウンアンダー』、デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ『カモン・アイリーン』…ほんとに全曲そらで歌うことができるほど、僕の血となり肉となってる曲ばかりです。
82年のチャートが「あ、この曲覚えている。これはなんだっけ?」という感じなのに対して、83年のチャートはまるまる僕が好きな曲を集めて作ったミックステープのようで、自分の歴史がここから始まったのかというのが分かって面白いです。

一方で面白いのは、それより前の音楽というのは、僕にとって完全に別物の感覚なのです。もちろん60年代のドアーズやビートルズなんかも聞きまくってますし、70年代のソウル、さらに遡って50年代のドゥーワップなんかもかなり好きで聴いてます。
でも、それらが今の音楽とつながっているようには全く思えないのです。
戦前戦後という分け方があるのと同じような感覚で、僕にとって82年以降と81年以前では、完全に別物という感覚なのです。
これって、誰もが好きな音楽についてこういう感じなのでしょうか?
それとも僕だけでしょうか?
今後音楽仲間に聞いてみたいです。