みなさん、いきなりですが、私の悩みを聞いてください。
私は一人暮らしをしているのですが、モノが多いのです。
片付けても片付けても、モノが減らないのです。ズバリこれが私の悩み。モノを捨てられない！
そこでいま気になっているワードが『断捨離』！
今更！？という感じもしますが・・笑
いや、かなり今更な感じですよね。まあ、そんな事言わずに私の話を聞いてください。

最近、当たり前のように耳にするようになった言葉『断捨離』ですが、詳しい意味をご存知ですか？？
《断捨離とは・・モノへの執着を捨てて、身の周りをキレイにするだけでなく、心もストレスから解放されてスッキリする》ということだそうです。
頭ではどうすれば断捨離できるのか理解しているのに、いざモノを手にすると「もしかしたら使う時がくるかも・・」なんて、片付けられない人の典型的な理由が浮かんできて、結局「とっておこう・・」といつも捨てられずに掃除がはかどらないんですよね。

そんな私が思うに、執着心というのは時にものすごい強さで互いを引き寄せ合うんですね！

もう使い始めて4年くらいになるでしょうか、雑貨屋さんで一目惚れして購入したオレンジのパスケース。一面にビーズの刺繍が施されていて、女の子らしく可愛いデザインに一目惚れした訳で・・ビーズがほつれても、端っこが少しやぶれてきても、”モノは大切に”と育てられてきた私は、それはそれは大切に使い続けていました。
今からちょうど1年ほど前、渋谷にある事務所へ向かっていた時でした。
私の中のおかしな決まりで、洋服のポケットの使い方にはこだわりがありまして、パスケースは左のポケット、携帯は右のポケットとなっているんです・・・みなさんも自分の中でのポジショニングみたいなものってありません？携帯はここ、リップはここに入れる、みたいな感じのこと。
気がつくと左ポケットに入れていたはずのパスケースが無い！！！
そう、落としてしまったのです。これは、完全にアチャー！です。

Suicaなどの大切なモノが入ったパスケース、しかも落とした場所が渋谷の街中。これはもうアチャー！としか言いようがありません。
諦め半分の重～い足取りで渋谷警察署へ届け出をしに行くと・・なんと・・心優しい方が拾って届けて下さっていたのです！！！
なんということでしょう！
担当して下さった警察の方も「戻ってくるなんて運が良かったね」とおっしゃるので、落し物が戻ってくる確率が高くないことが伺えました。

いやぁ、都会も捨てたもんじゃ無いですね！！！！

絶対見つかってほしいと願っていたからか、パスケースへの執着が強かったのか
【拾ってくれた方のおかげだよっ】
とにかく見つかってひと安心。
もう二度と落とすものか！と心に誓い、左ポケットに入れるというおかしな決まりもやめて、カバンのポケットにしまう様にして大切に使ってきました。

時は巡り、また春が来て・・つい先日のことです。再び落としてしまったのです。
そうです。あの・・オレンジの・・パスケース。
【何をやっているのだ私！！！おっちょこちょいにも程があるぞ！！！！】
しかも事務所からの帰りだったので場所は渋谷の街中。また渋谷。人がわんさか居る渋谷・・もうね、絶望的です。
落とした事にすぐに気付いたので引き返してそこらじゅうを無我夢中で探し回りましたが、時すでに遅し、どこにも見当たら無いのです。
”カバンに入れていたのに何でだろう～”と思いつつ、これは今回こそもう見つからないかもしれない・・と肩を落とし諦め半分で駅前交番へ駆け込みました。
すると・・・まだまだ優しい方がいるものですね。
なんと、すでに交番へ届けられていました。

今回もまた私のパスケースへの執着でしょうか。
【だからぁ！拾ってくれた方のおかげだってば】
また手元に戻ってきた安心感と、拾い届けてくださった方への感謝の気持ちと、二度も落としてしまったパスケースにごめんね、私のバカ！！という思いで、もう二度と！もうっ、二度とっ！！！落とすものかと固く自分に誓ったのです。

二度ある事は三度ある。

みなさんお察しの通りです。
一ヶ月経たないうちに、再び・・やってしまいました。
はい。オレンジのパスケースです。オレンジのパスケースをまた落としてしまいました。
【本当に・・西田のバカッ！バカバカッ！】
しかも、今回は電車の中で落としてしまったのです。
実は・・カバンのポケットにしまう様にしていたにも関わらず”一駅ですぐに降りるから・・”とカバンに戻さず、洋服の左ポケットに入れてしまったのです。
ガラガラに空いた車内で、座席に腰掛けイヤホンで音楽を聴きながら電車に揺られ一駅。
目的の駅に到着し、イヤホンをはめたまま座席を離れた時に左ポケットから〈ポロッ〉とこぼれ落ちたのでしょう。
車内もガラガラだったので、誰も落し物に気がつかなかったのでしょう。
私は慌てて駅員さんに伝え捜索して貰いましたが「電車は遠くまで行っており車内にもありませんでした、あとは落し物センターへ電話して届け出が無いか確認してみてください。」と。
いてもたってもいられず1時間おきに落し物センターへ電話してみるものの「まだ届けられてませんねぇ～」と言われ続け１日半が経ちました。

何度も落としておきながら、正直、今回だけはもう二度とあのオレンジのパスケースには会えないのだろうなと諦めてしまっていた私。
むしろ、こんなにも私の手元を離れるってことはもう私に持つ権利が無い、パワーがなくなってしまったのかも、なーんておかしな事を考え始めていたんです。

ですが、今回こそ私の執着心が引き寄せたのでしょうか？
【拾ってくれた方のお、か、げ！だーってば！でも、ここまできたらそうかもねとも言える】
三たび、心優しい方が届けてくれていました。
無事に駅員さんから引き取ったオレンジのパスケースは、すっかりくたびれたように見え、持ち主の元へ帰れた安堵感が漂っているようにも見えました。

どんなに気をつけていても私の元を離れていくパスケース。
何度落としても沢山の方の優しさを経て私のところに必ず戻ってきてくれたパスケース。

だけど・・・
愛着があるモノだからこそ・・・
思い切ってその執着を断ち切り、手放す事にしました。なかなか断捨離へ踏み出せない自分への戒めの意味でもあり、断捨離への最初の一歩にしたいから。

購入してから数年、ずっと詰め込まれていた中身を取り出してみると、中身を抜かれたパスケースは、ちょっとスッキリしたように私の目には見えました。








こんなにボロボロになるまで・・・
今までありがとう。


今の私・・大切なモノへの執着を断ち切り、なんだかスッキリしています。
新しいモノを取り入れるには、古いモノを断ち切らなければならない。時には愛着のあるモノでも断ち切らなければならない。
いつだったか、部屋の散らかり具合は、精神状態と比例すると聞いたことがありますが、今の自分にとって本当に必要なモノなのかを常に見極め、シンプルに必要なモノだけを身の回りにおく。
生活も心もシンプルでキレイにしておく事がとても大切で、本当の自分でいられる秘訣なのかなと思うようになれました。
それもこれも、あのオレンジのパスケースのおかげですかね。

みなさんもいま一度、断捨離を通して”本当の自分”を見つめてみてはいかがでしょう？