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小宮山雄飛

小宮山雄飛の〈音楽〉

ホフディランのボーカルにして渋谷区観光大使兼クリエイティブアンバサダー。「TORANOMON LOUNGE」のプロデュース、食関連の番組レギュラーや雑誌連載も担当するなど幅広く活躍。
詳しくは「hoff.jp」へ!

音楽その8

2015.9.20

小宮山雄飛が『音楽』を考えるこのコラムですが、今回は先日虎ノ門ラウンジで行われた、ボニーピンクを迎えての「小宮山雄飛があの人と話す会」の話をしたいと思います。
ボニーとは同い年で、デビューが同じポニーキャニオンで1年違いというのもあり、かれこれ18年くらいの付き合い。
まあ言ってみればお互いプロのミュージシャンになりたての頃からの関係ですから、音楽界の右も左も分からないところから、ミュージシャンとしてそれなりに成長していく過程を共に経験してきたわけです。

そんなボニーに
Q. ミュージシャンを長く続ける上で大事な事、秘訣は?
という質問をぶつけてみたところ、返ってきた答えがこちら。

A .音楽が生活の全てになってしまうときついので、距離をうまく置いたほうがいいと思う。雄飛くんの様に!

って、僕って音楽とうまく距離を置いているように見えるのですかね(笑)。

でもこれすごくよく分かるんですね。
ご存知の通り、僕はいわゆるミュージシャンとしての活動の他に、ラジオやテレビの司会とかタレント的な仕事も沢山していますし、音楽とは直接関係無い雑誌の連載の仕事とか、WEBや番組のプロデュースみたいなこともやっています。
そもそも音楽自体もプレイヤー/シンガータイプよりは、全体のプロデューサー的な役割を得意としている部分があります。

シンガーソングライターという明確なミュージシャン的立ち位置にいるボニーから見て、そんな僕の音楽との距離の取り方が、むしろ音楽を長く続ける秘訣に感じるようです。

そこでふと自分と音楽の距離について考えたのですが、そもそも僕の周りには常に音楽があったんですね。
父も学生時代から音楽をやっていましたし、母も当時ビートルズの来日公演に行っていたくらいの音楽好き。子供の頃から楽器や音楽に囲まれている生活で、自然と僕もピアノを習って、小学生の時から兄や親戚の影響で洋楽のレコードを買って、子供など誰もいない外タレのコンサートに小学4年生で通っていたような、そんな環境で育ったのです。
(ちなみに初ライブは小4で、中野サンプラサで行われたザ・ロマンティックス)
その後も普通の中学生が部活でスポーツとかやっている時に、ずっと楽器と音楽三昧。高校でやっと周りにコピーバンドをやるやつが出てきた時には、すでに家でオリジナルのデモテープを作っているような状況で、まあとにかく常に音楽に囲まれて育ってきた訳です。

そんな僕にとっては音楽とは生活そのものであり、変な例えですが実家とか両親みたいな、自分のルーツとしてそこに常にある存在なわけですよ。
それだったら音楽と距離取ってないじゃんと思うかもしれませんが、むしろ逆で、音楽は常にそこにある状態だから、多少距離をとって他のことやっていても平気なのですね。

音楽が親だからこそ、タレント活動という恋人や、雑誌連載という友達、WEBプロデュースという仕事仲間とかが増えても、全然バッティングしないで全部の関係を続けられる。
それって意外と珍しい方で、プロミュージシャンでも大多数の人は、音楽が高校時代くらいからできた恋人で、だから他の恋人(=仕事)とするのは浮気になっちゃう、音楽だけに集中しなきゃ!というような感覚なのかもしれませんね。

ボニーのなにげない答えから、自分と音楽との関わりについて考えることができて、とても有意義なトークイベントでした!
ありがとうボニー!


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